●更新日 04/06●

シロアリ駆除トラブルにご用心


巷では、シロアリ駆除に関するトラブルが増えていると言う。
今回はトラブルに巻き込まれた読者の方に御願いして、事の詳細を取材させて頂いた。
持ち家のある方も、これから持つかもしれない方も、いずれ身に降りかかるかもしれない事例として読んで頂けたらと思う。





S県にお住まいのJさんは、築十数年の一戸建てに住んでいる。
家の一部にシロアリによると思われる被害が出て悩んでいた所、S県住宅生協が無料でシロアリ被害の点検をしてくれる事を知り、「生協なら安心だろう」と早速申し込んだ。


点検をした生協の人間は、被害状況を写したというポラロイド写真を見せながら「すぐに駆除と補強工事を行うべきだ」と言う。
Jさん一家は不安に思い、その場で工事を依頼。その時出された見積もりでは、総工事費30万円との事だった。

数日後、駆除と補強工事は一応終了。
その時生協側から出された請求された工事費は、なぜか45万円に跳ね上がっていた。
理由は「補強に鉄柱を二本使ったからだ」と言うものの、生協側によるそれ以上の説明はなし。
鉄柱の設置場所や状況に疑問を持ち、工事の後自ら床下に潜ったJさんが見たものは、明らかに手を抜かれた工事現場だった。

△(左)ボンドだけで固定された木材と、元々あった基礎部分に乗せただけの補強器具
 (右)天井から2cm離れている謎の鉄柱。床下の補強と、本当に関係があるのか?


「工事の当日の態度からして妙だな、とは思っていたけど、まさかここまで酷いとは思わなかった」
Jさんは周囲に相談しながら、生協へクーリングオフを提出。
だが生協は、「ポリシーを持って行った工事にクーリングオフなど心外だ」「組合員であるあなたから申し込んだのだから、クーリングオフには応えない」等、様々な理由で反論をし、事態は泥沼化の一途を辿る・・・


現在の状況について、Jさんに伺った。
「各方面への働きかけが効果的に影響して、近い内に話し合いの結果は出そうです。
ここまで来るのに、随分苦労しました。消費者センターにしても平日午後4時までしか受け付けてくれませんし、電話がつながらない時もありますから。
私も仕事を休んで対応するしかありませんでした。1つのトラブルでこんなにも時間が必要なんて、本当に疲れます。
生協や駆除業者への不信感は消えません。とにかく、お金や工事のやり直しよりも誠意ある対応をして欲しい。これ以上、話し合いに余計な時間を割きたくありませんから。
これからシロアリ駆除を依頼する人も、気をつけて下さい」



今現在も係争中なので具体的な人物名や業者名は伏せたが、以上がおおまかな事の流れだ。
蛇足かもしれないが、生協と業者にも取材を申し入れたものの見事に拒否された事も記しておく。
いわゆる「悪徳業者」は業者全体の一握りだろう。だが、その一握りが起こすトラブルに巻き込まれるのは善良な一般市民だ。
シロアリ駆除業者選びは、くれぐれも慎重に・・・



探偵ファイル・静山



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