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福建省長楽市内に建ち並ぶ「密航御殿」 (密航者が稼いだ金で建てたもの) |
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「蛇頭は密航者を運ぶだけでなく、短銃や麻薬の密輸など金になるものだったら何でもやる。それを売りさばくのがヤクザ。お互いに利用し合う仲だ」
数年前に就学ビザで来日し、滞在期限が切れたあとに蛇頭と深いつながりを持つようになった三十歳代の中国人男性は、両者の協力関係をこう表現した。
この中国人によると、在日の蛇頭メンバーは東京・池袋周辺だけで二百人に達する。元就学生や密航者が多く、その七割が中国・福建省長楽の出身という。「数年前に池袋で事件が起こり、トップが招集をかけたら三十分で全員が集まった。結束力も強いから、暴力団も恐れるほどだ」
個々のメンバーが暴力団とのつながりを持っているといい、「各種カードの偽造や変造、麻薬、銃の密輸など、互いのネットワークを利用して荒稼ぎしている」と関係者は指摘する。
「蛇頭」は、中国公安当局をはじめ税関、さらには高級官僚に至るまで太い人脈を持っているとされ、「蛇頭にできないことはない」と在日中国人には広く信じられている。 |