●更新日 02/28●


現代に蘇るメアリー・セレスト号の怪異 オーストラリアの人間消失事件!!


1872年、ポルトガル沖にて奇妙な船が発見された。船内には食べかけのまだ暖かい食事が残されているなど、先ほどまで人が存在したかのような痕跡が残っているにもかかわらず、乗組員を含めた全ての乗客が消失していた。船内に荒れた様子はなく、襲われた形跡もなく、救命ボートも全てそのまま残っていた。ただ、人間だけが存在していない。これが航海史上最大の謎とされているメアリー・セレスト号の怪異である。しかし、このメアリー・セレスト号で起こったとされる怪異の半分以上は、後世に創作されたものだということが判明している。

メアリー・セレスト号の怪異から135年後の2007年4月、再びこの怪異を思い起こさせるような事件が起こった。オーストラリアのタウンズビル沖、80海里付近で漂流しているところを発見された双胴ヨット「KAZ II」のことである。そこには電源がつきっぱなしのコンピュータ、食卓に並べられたまま手の付けられていない食事など、まるでメアリー・セレスト号の怪異と同様の光景が広がっており、ヨット内に3人いたはずの乗組員の姿も見当たらなかった。ちなみに船内はまったく荒らされておらず、犯罪に巻き込まれた可能性はきわめて低いということだ。

メアリー・セレスト号の消失事件は、船がスコールに巻き込まれ、救命ボートで逃げ出そうとした乗員たちが波に飲まれてしまったのが真相ではないかと考えられている。今回の事件でも、「KAZ II」が存在した海域にはスコールが発生していたことが判明しているのだが、何故ヨットが沈んでもいないのに救命ボートで逃げ出そうとしたのだろうか。

筆者は、スコールの中で「海洋竜巻」が発生したのではないかと考えている。海洋では地上よりも竜巻が発生しやすい。この竜巻によって人々は海上、または上空に巻き上げられ海に叩き落されたのではないだろうか。ある乗組員は竜巻によって海上に投げ出され、またある乗組員は助けに向かったまま波に飲まれた、というようなケースが考えられる。当然、単に逃げ出しただけの可能性もあるのだが、姿を消してしまった乗組員以外に真相を知るものはいない。

イラスト



山口敏太郎



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