●更新日 12/06●


心霊レポート


ある日、探偵ファイルに、霊現象に悩む男性からの相談が来た。
ボスは相談者から話を聞き、アドバイスを送ったのだがしばらくして再びメールが。
「まだ怪現象が続いているようです」
事態を重く見たボスは「怪奇探偵」を連載中の山口敏太郎にさらなる調査を依頼。
山口はすぐさま知り合いの霊能力者Mさんに相談、スタッフと共に現地へ急行してもらうことにした。

Mさんは家相、手相占いのほか風水、陰陽道の知識もあり、自身も霊体質で、除霊も行っているその道のエキスパートだ。
まず、家の写真を見てもらう。
「これからは特に何も感じませんね。やはり現場を見てみましょう」

家の写真を見る霊能力者Mさん

相談者の男性とご家族がその家へ越してきたのは今年の春のこと。
なぜか、男性ははじめに見た時からその家のことが忘れられず、他の物件を見ている間もずっと頭から離れなかったと言う。
最初に異変に遭遇したのは一番下のお子さんで、リビングで若い女性に「遊ぼう」と言われた。

それがすべての始まりだった。
天井の明かりがすぐ切れたり、パソコンや電化製品の調子が悪くなるなど機械・電気関係に不調が多くなった。
2階は上のお子さん二人の部屋だが、夜、階段からハイヒールのような足音が聞こえたり、窓をたたく音が聞こえた。
しかもラップ音が頻繁におこり、今は二人とも1階の部屋で寝ている。
今年の夏の間、寒気を感じることが多く、前の住人も「この家はすごく寒かった」と言っていたそうで、犬が誰もいない空間に吠えていたこともあったという。

霊能力者Mさん

Mさんは、外観を見たときから何かを感じていたようだ。
「この家は家相が悪いですね」
この家は「コ」の字型をしており、玄関よりも他の部屋が出っ張っている。
また、ガス台、流し、風呂、トイレなど、水周りと火の周りが全て同じ方位に並ぶようにできているのだ。
「普通はこういう造りにはしませんね。」

さらに、家の見取り図を見たMさんは驚きの言葉を口にした。
「この家には霊道が通っています」
息を呑む相談者ご夫婦とスタッフ。
「この家の鬼門(東北)の方角には神社、裏鬼門(南西)の方角には小さな祠か何かがあると思います。本来、そのおかげで家が守られてもいいのに、家相が悪いため霊道が出来てしまったのです。すべてはそれが原因です」

実はMさんは、家に入った瞬間めまいがしていた。
それも家相の悪さが原因で地場が狂っているためだという。
「そういえば、私の友人にも玄関に入ったとたん“気持ち悪い”と言った人がいました」奥様が思い出して話す。
「見ただけで10体以上の霊がいます。ここに留まってしまっているんですね」
家の中を見て回ったMさんが言う。
「前の住人だったものもいます。物に執着しているようですね。ほかに霊道を通って留まっている霊。このままにしていたら、家族全員体調を崩し、精神面でも悪い影響を受けるおそれがあります。さっそく始めましょう」

除霊儀式

前もって伝えておいた塩、米、小豆、線香が用意される。
Mさんはどんぶりの中にそれらを入れ、線香に火つけて真中に立てた。
「これから各部屋を回って除霊し、霊道をふさいでいきます」
Mさんは片手にどんぶりを持って部屋に入り、呪文を唱えながら線香の煙を広く漂わせようとするようにどんぶり鉢を動かし、九字を切る。
部屋、廊下と真剣な表情でこの儀式をくり返してゆく。

除霊儀式

全ての部屋を回り終わった時には、この家に来て2時間ほどが過ぎていた。
「これで終わりました。ここにいた霊は全て除霊し、霊道もふさぎました。これで今日からおかしなことはなくなると思います」

Mさんは、もしものために今後の対策も伝え、無事除霊を終えて一同はこの家を後にした。

霊能力者Mさん



山口敏太郎



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