●更新日 08/11●
大震災死者のヒトダマが踊る
寺社や霊園、墓地という場所には独特の雰囲気があるものだ。
なんとなく空気の流れがよどんでいて、ねっとりと湿気高いような気がする。
先日の夜、路地裏に迷い込んでしまった時も、ふとそんな雰囲気を感じた。
よくよく周囲を見回してみると、住宅地とビジネスビル郡の間に、ひっそりと寺があるではないか。
![写真 写真](./image/01.jpg)
市街地にたたずむ
![写真 写真](./image/02.jpg)
千寿七福神の「福禄寿」の寺として地元では知られているのだが…
その名は「不動院」。場所は北千住(東京都足立区)から歩いて10分弱の市街地である。
ただ市街地とはいえ人通りはきわめて少ない。
道に迷ってしまったほどの、さびしい路地なのである。
「早く帰ろう」とばかりに急ぎ足にしようとしたその瞬間
生暖かく湿度をたっぷりと含んだ風が、頬を撫で
頭上がオレンジ色に染まった
![写真 写真](./image/08.jpg)
「これがヒトダマか!?」
球形というよりは不規則な楕円。
時刻は深夜0時近く。時間にすると5秒たらずなのだろうが、やたらと長く感じたのは言うまでもない。
その時はとにかく怖くて、走って駅に向かってしまった。
そして翌日。カメラを持ち再び現場へ。
寺内に入り調べてみると、いろいろな事が見えてきた。
![写真 写真](./image/03.jpg)
南無阿弥陀仏と書かれた戦死者の供養塔
寺内には明治維新時の戊辰戦争の際に千住口から従軍して戦死した戦死者の永代供養塔や、
関東大震災で亡くなった住民の墓石か点在している。
![写真 写真](./image/04.jpg)
震災で命を落とした近隣住民を供養
その石碑を見て私は驚愕した。
地盤の緩みか老朽化が原因かは定かではないが
倒れる寸前まで傾いているのである
![写真 写真](./image/05.jpg)
この角度まで傾いている
近所で聞き取り調査をすると
「たま〜に見るよ、夜おそい時間に。別に害はないけど、慣れないと不気味だよね。オレンジ色のヤツだろ?」
という声を拾うことができた。
オレンジ色は日によって濃淡が違うらしい。
私の時は、赤に近い“濃い目”だった……
![写真 写真](./image/06.jpg)
この一角に入ると、やはり空気が重く感じる。
地元住民は慣れからなのか、そんな気はしないというが・・・
デイブ高瀬
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