●更新日 06/09●

死者からの電話


和歌山県の山村で、駐在をしている、大沢(仮名)さんご夫婦が体験されたお話です。



ご主人のJさんが、夜間巡回に出かけている間に、奇妙な電話が掛かって来るようになった。
留守を預かる奥様のKさんは、はじめのうちは単なるイタズラ電話だと思っていた。


しかし、日が経つにつれ、電話の回数が増えてきた。


「はい。もしもし!」

「ゔゔゔぅぅ・・・」

「あんた!ええ加減にせなアカンよ!!」

「・・・・・けて・・・」


電話は、Jさんが巡回に出かけている間にしか掛かってこない
何日も何日も繰り返されるイタズラ電話に、Kさんのストレスは溜まる一方だった。
自分1人ではどうにも出来ないと感じたKさんは、Jさんにすべてを話す。


妻のKさんの事も心配だが、警察官としての職務も果たさなくてはならない。
その日も、Kさんを1人残し、夜の巡回へ出かけた。


しかし、懐中電灯の電池が切れそうなので、駐在所へ引き返したJさん。
ちょうどそこに、件の電話が掛かってきた。


Jさんが受話器を取る。


「もしもし」

「ゔゔゔぅぅ・・・」

「誰なんやぁ!?」

「つめたい・・・たすけて」


イタズラ電話にしても限度が超えている。


妻のKさんがノイローゼ気味になっている事も考え、県警本部に相談し、駐在所の電話機に逆探知を設置することになった。



いつもの時間に電話が掛かってきた。


逆探知の結果、ついに発信場所が特定された。



その場所とは、駐在所から遠く離れた、奈良県の葛城山の山道にある公衆電話からだった。

翌日、捜査員が電話BOXが見渡せる位置に張り込んで、犯人を待ち構えることに。


午後11時を過ぎたころ、問題の電話BOXに異様な光が・・・。


写真



「うわぁぁぁ・・・人魂やぁ!!!」



2人の捜査員は目を疑った。


やがて人魂らしき光は、電話BOXの脇で円を描くように回り始めた。


1人がその光に近づいた。



「・・・・・・!」




捜査員がそこに見たものは・・・。




地中に埋まっている、人骨だった。



その付近を捜索してみると、白骨化した遺体が発見された。


写真


県警の鑑識の結果、おそらく峠を攻めている“ドリフト族”にひき逃げされ、発見されずに月日が経ったのだと。



大沢さん宅への電話は、遺体の場所を教えるためだったのだろうか・・・!?



まなみ


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