●更新日 06/05●


大槻教授が脳科学者の茂木健一郎をオカルト認定!


テレビや雑誌に頻繁に登場し大人気の脳科学者・茂木健一郎氏を、早稲田大学名誉教授の大槻義彦氏が「オカルト学者」と認定し、話題になっている。

大槻氏といえば、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之氏の霊視を批判的に検討する著作「江原スピリチュアルの大嘘を暴く」を先頃刊行した。その大槻氏が、「THEMIS」6月号の記事「いまやオカルト研究者?!脳科学者・茂木健一郎へ噴出した「批判」」(同誌HPにも掲載)にコメントを寄せている。

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大槻氏は、「茂木氏は科学者ではない」と述べる。その背景にあるのは、茂木氏が江原氏と「脳とスピリチュアリズム」と題した対談(「新潮45」別冊「ANOYO」)を行ない、江原氏に対して肯定的な発言をしていることだ。

茂木氏が盛んに論じる「クオリア」には専門家の間で明確な定義がないという。「ゲーム脳」批判で有名な精神科医の斎藤環氏も、クオリアに懐疑的だ。しかも、単行本化の企画で、最初に斎藤氏が論争の書簡を出して1年近く経過しても、企画に同意した茂木氏からの返信がないとのこと。

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斎藤氏は、「『茂木さん、オカルトでなければきっちり論駁してください』というつもりだったが、書簡が返ってこないところをみると、痛いところを衝かれたのだろう」と言う。大槻氏も、クオリアは脳科学の分野の一つではないと述べ、茂木氏が理学博士としてマスコミに度々登場し大きな影響力を持っていることを危惧する。

以上の批判に対して茂木氏は、クオリアは学問上確立された概念であり、自身と大槻氏は科学者という基本的な立場は同じであると述べる。斎藤氏に対しては、「熟考するためのまとまった時間が必要」と回答。各人の見解を掲載した上で同誌は、茂木氏が青森県の恐山でイタコの口寄せを体験したことを「文芸春秋」2006年3月号に記した点を挙げ、疑義を呈している。

上記の茂木氏のコメントに対して、茂木氏は「科学的」という言葉の意味を分かっていないか分からないふりをしていると、大槻氏は自身のHPで述べている。大槻氏は激怒している様子で、「私を馬鹿にするな」、「脳科学者を名乗る前に自分の脳の再点検をすべきだ」と記した。

一連の論争を見て気になったのは、ここに登場する全員が、テレビや雑誌に頻繁に登場する人物だということだ。そうしたメディアから距離をとっている研究者が、この論争をどのように評価するのか、興味深いところである。



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