●更新日 10/26●


社長解任で末期症状の NOVA 、杜撰経営の実態


英会話学校「NOVA」が会社更生法の適用を申請し、社長を解任すると発表した。6月には業務停止命令も出るなど、末期症状とも言えるこの企業の実態は、どのようなものだろうか。

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2007年10月26日の読売新聞によると、NOVAは25日、新宿の東京本部で臨時取締役会を開き、創業者の猿橋望社長を解任すると共に、会社更生法の適用を申請することを決めたという。負債総額は500億円超に及ぶとされ、講師への給与の遅配、家賃の不払い、経営状況の悪化が指摘されている。読売新聞は6月14日にも、NOVAの問題を報じている。その記事によると、経済産業省は長期にわたる新規契約について、同日から半年間の業務停止を命じたという。同省は、虚偽の説明や誇大広告などの各種違反を確認したとのこと。問題となった違反行為は、NOVA本社が作成した各種マニュアルや通達、指導に基づいてなされていたものだったという。

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探偵ファイルでも、NOVAの実態について過去に調査を試みた。当サイトで話を聞いたのは、NOVAでの受講経験があるという田中さん(仮名)。田中さんは会社の仕事で海外出張が決まり、フランス語を短期間に習得する必要があった。

田中さんはフランス語を学ぶに当たって、NOVAを第一候補に考えていたが、一応は他の語学校についても調べてみることにした。最初に問い合わせたのがNOVAで、フリーダイヤルに電話をかけた。その際、応対したスタッフは「今なら入学金が無料です」と強調したという。説明を聞いた上で、「検討します」と述べたところ、「入学金無料は期間限定ですから、ぜひこの機会に」と再度述べたとのこと。しかし、実際には年間を通して入会金は無料だった。

その後、他の語学校と比較検討した上で、田中さんは結局NOVAに申し込んだ。期待に胸を膨らませて通い始めた田中さんが直面したのは、何回通っても思うように実力が伸びないということだった。帰国子女でもあり、英語に関しては母国語並みに流暢な田中さんとしては、ショックだった。フランス語は自分に向いていないのかと思ったが、NOVAのレッスンを通じて知り合った何人かに聞いてみると、自分が受講している外国人講師は教え方が下手だという噂が広がっていた。しかも、一部の「お気に入り」の女子生徒には、ナンパまがいの行為をしているとの話もあった。

そこで田中さんは、講師を変えてみることにした。周囲から評判のいい講師に申し込もうとしたのだが、案の定、予約がいっぱいで申し込めない。フランス語の担当講師の人数が不足気味だった上に、人気のある講師とそうでない講師の差が極端に激しく、人気のある講師のクラスの受講は困難だったという。どうしたらいいかとNOVAに相談したところ、「そういうシステムですから、仕方ないですね」などと返答されたそうだ。これまで受講してきた講師についての評判を伝えても、「たまたま相性が悪かっただけでは」との回答のみだったという。

そうこうしているうちに、田中さんにはフランス語を習得しなくてはならない時期までの残り時間が少なくなっていた。結局、NOVAでこれ以上の実力向上は難しいと考え、個人指導の家庭教師と契約した。指導回数はNOVAと同じだったにもかかわらず、田中さんは短期間でフランス語の習得に成功したという。NOVAでの伸び悩みは、本当に講師との相性の問題だけだったのだろうか。

田中さんの場合、納得いかないままでNOVAをやめてしまったのだから、事実上の泣き寝入りということだろう。一連の問題発覚以降であれば、NOVAの対応も変わっていたかもしれない。

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高橋



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