●更新日 11/20●
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【沖縄知事選】翁長氏当選がもたらした見えないリスク





11月16日開票の沖縄県知事選で、翁長雄志(おながたけし)氏が当選した。気になったのが、当選直後の彼の表情だ。

翁長氏の事務所 翁長氏の事務所にて撮影

喜ぶべき場面にもかかわらず彼の顔色は冴えず、笑顔が溢れることはほとんどなかった。確かに強面で知られる翁長氏だが、これは異常なことではないだろうか。

しかめっ面の原因は、選挙に勝つために背負った「リスク」の大きさに、彼がようやく気づいたからと考えると合点がいく。そしてそれは多くの沖縄県民が恐れるリスクでもあるのだ。

翁長氏は「オール沖縄」というスローガンを掲げて知事選を戦った。聞こえはいいが、結局のところこれは保守も革新もごった煮にした政治基盤。そしてそのなかでも特に異彩を放ったのが共産党である。

しんぶん赤旗 共産党の機関誌「しんぶん赤旗」

もともと保守派の翁長氏が新たな票を呼びこむにあたって、共産党と手を組むのは確かに手っ取り早い。が、それは劇薬を飲むのと同じことだ。多くの沖縄県民は、基地問題などに関連して共産党の政治的主張に翻弄され続けてきた背景から、同党へ極めて深刻なアレルギーをもっている。

こうした紆余曲折がありながらも、翁長氏が当選を果たしたわけだが、これが沖縄に何をもたらすのか。翁長氏の後任として那覇市長に当選した城間幹子も、共産党の後援を受けているのはご存知だろう。住民は沖縄における共産党の勢力が確実に拡大したことを肌で感じている。

ここで肝心なのは、住民は共産党の政治的主張に文句をいいたいわけではない、ということだ。

「ここ最近、見たことのない明らかに県外の人が増えてなんだか不安なんですよ」

先日耳にした、那覇市で飲食店を経営する女性(40代)の言葉が耳に残っている。今後、プロ市民と揶揄される活動家の流入はさらに増えるだろう。現在は彼らのデモによる交通渋滞や敷地を踏み荒らされる程度の被害しかみられないが、エスカレートする可能性は高い。

共産党も、プロ市民も関係ない。沖縄の住民は、ごくあたりまえの「普通の暮らし」をかき乱されることをただ恐れている。



神里純平


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