●更新日 08/17●


特捜班心霊紀行 「新井さんの家」


・・・Night side・・・

群馬県と埼玉県の県境にあり“日本最大の心霊スポット”とも称される「神流湖」。
その傍に「新井さんの家」と呼ばれる廃屋がある。

<「新井さんの家」に関する情報>
・「神流湖」の傍には『新井さんの家』と呼ばれる廃屋があります。
昔、この家で『気の狂った父親が妻や子供たちを殺し、自分も自殺する』という事件が起こり、そのまま打ち捨てられて廃屋になったのだそうです。

・ここはダム建設に反対する新井さんが、抗議活動として家族ととも居を構えた別荘なのだそうです。しかし、この新井家のご主人は精神に異常をきたしてしまい、チェーンソーで家族全員を惨殺し、自分も風呂場で自殺してしまったのだそうです。

・この家に向かう途中では、誰もいないのに人の声が聞こえたり、携帯が壊れたり、体調不良になったりするそうです。

・この「新井さんの家」から何かを持って帰ってくると、後日、「返せ!」という電話がかかってくるそうです。

問題の「新井邸」は、県道の傍にあるらしい。
車では探しにくいと考えて徒歩で探すことにする。

(このあたりかな?)と思う場所までやってきて辺りを見回すと、


道の脇にロープが張ってある場所がある。


ここが「新井邸」への入り口らしい。

(赤外線撮影で……)と思い、ビデオカメラを取り出したのだが、
バッテリー切れ?

(? 変だな?)

「証拠写真の撮影」というのは、探偵の重要な仕事だ。だから、撮影機材のバッテリー残量には人並み以上に気を使う。今回も昨日の内に十分充電しておいたはずなのだが?

まあいい。予備のバッテリーは当然用意している。
ところが、バッテリーを付け替え、カメラを起動させた途端、

予備バッテリーまで?

(そんなばかな)
おかしい。準備を怠った覚えはない。充電は十分のはずなのに。

ともあれ、赤外線での撮影が無理なら仕方ない。フラッシュが使えるカメラだけを持ち、ロープをくぐって「新井邸」へ入る。

草の茂る敷地を少し進むと、闇の中にいくつかの廃屋が浮かび上がる。
廃屋は全部で4つ。

屋内は朽ち果てている。

それぞれの写真を撮影し、しばらくその場にたたずんでみた。
夜闇に目を凝らし、耳をすましてみる。

30分以上もそうしていただろうか。しかし、何も見えないし、何も聞こえない。
昨日の雨で増水した川の音が聞こえるくらいだ。
(これ以上ここにいても仕方ない)そう考えて「新井邸」を後にした。

(結局、心霊現象はなし、か……)
山道を帰る途中、役に立たなかったビデオカメラのスイッチを入れてみた。

バッテリーは十分残っている。

(??)

あとで聞いた話だが、霊感の強い人に言わせると「霊の多い場所では、なぜか撮影機材がダメになってしまうことが多い」のだそうだ。


「新井邸」でビデオカメラが使えなかったのは、撮影されることを嫌がる「誰か」がいたせいなのだろうか?
だとすると、無理やり撮影した写真には何が写っているのだろうか?


次ページでは、探偵力を使い「新井さんの家」にまつわる噂を究明する
(……Day side……へ)



特捜班:九坪



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