●更新日 08/12●


朝青龍を診断の「包茎専門精神科医」に詐称の疑惑


大相撲の横綱・朝青龍の精神状態を診断した「精神科医」とされる本田昌毅氏が、実は包茎手術の専門医だったと、世間でも話題になっている。



とはいえ、包茎手術の専門医だろうと、本当に適切な診断ができているのなら何ら問題ないはず。
ところが、診断内容そのものがおかしいという声が、多くの専門家から出ている。では、一体何がおかしいのだろうか。都内の大学病院で精神科医を務める人物に電話取材を試みた。

――診断内容がおかしいというのは、どういうことですか

(医師) 既に指摘されていることがいろいろありますよね。例えば「神経衰弱」って言葉を我々の業界では通常、病名の診断として使わない、とか。厳密に言うと、「神経衰弱」は病名じゃないですから。そういう状態を、広い意味での「病気」と捉えるとしても、それを病名として発表するという時点で、胡散臭いとしか言えませんよ。」

――なるほど。他にも指摘されてこなかった根本的な問題は、何かあるでしょうか

(医師) 本田さんは、「包茎の治療と精神面の治療はコンプレックスの治療としては一緒で、元を断つ必要がある」などと言っていましたよね。本当に精神医学に取り組んでいる人なら、こんなことは言えないはずですよ。これで素人同然だってバレバレですね。

――それはどういう意味でしょうか。具体的にお願いします

(医師) 日本で通常一般に使われる「劣等感」の意味に一番近いのは、アドラーという人物が定義した「コンプレックス」でしょう。ですが、それは「劣等感」とは違います。劣等感というのは、他人に対して自分が劣っていると感じることです。でも専門用語としての「コンプレックス」というのは、「複合」と訳すことからも分かるように、日頃は意識されていない、抑圧された感情を含む概念なんですね。つまり、仮に何らかの劣等感があるとして、その劣等感の背景にあるものを含めて扱うのが、コンプレックスという概念です。

――要するに、本田氏の言葉の使い方に根本的な誤りがある、と

(医師) そういうことです。包茎を手術によって治療することの精神面への基本的な効果の一つは、劣等感の克服でしょう。もちろん、意識化されていない要素に対して手術の結果が何も影響しないとは言いませんよ。ですが、コンプレックスに対して精神科医が介入するということと、包茎を手術するという意味での治療とは全く別です。だから、包茎手術と精神面への介入を、コンプレックスの治療として同一視できるはずがないんです。それに、意識化されていない要素は単純に「元を絶つ」ことで解決できるようなものでもありませんから。おそらく本田さんは、劣等感とコンプレックスの区別もついてないのでは。


本田氏に関しては、氏の経歴や精神保健指定医の番号についても様々な詐称があるのではないかと話題になっている。
精神保健指定医になるには、精神科医としての3年以上の経験が必要だ。
公式プロフィールでは、本田氏は平成9年から精神科医として勤務している。ということは、最短で指定医になれるのは平成12年。本田氏のHPに掲載されている番号は「0603001」なのだが、日本精神科病院協会のHPを見ても、こんな桁数の番号は当時から近年までも存在しない



また、日本医師会認定産業医の番号についても、同様の疑いがあるとされている。

朝青龍や周囲の関係者は、本田氏の実態についてどこまで知った上で診断を依頼したのだろうか。このまま頬被りを続けずに、被っている皮だけでなく真相もキッチリ表に出してほしいものだ。



タカハシ



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