●更新日 06/09●


南浦和いじめ動画流出事件 ネットで別人を吊るし上げ


6月7日、さいたま市の小松原高等学校で実際に起こったいじめの映像が、インターネット上に流出しているのが発見された。

写真 ※実際の動画より抜粋

映像には、数人の男子生徒が一人の男子生徒を囲み、殴る蹴るなどの暴行を繰り返している様子が映し出されている。

この映像、もともとは加害者の一人が携帯電話で撮影、携帯サイトに投稿したらネット上にまで広がってしまったというもの。投稿した本人としては、軽い気持ちで投稿しただけかも知れないが、現在ネット上には事件の加害者として3名の実名が晒される程の騒ぎとなっている。

写真 ※まとめサイトより

この事件に対する学校側の見解は?被害者や加害者のその後は?
事件の真相を探る為、埼玉県南浦和へと向かった。

現地へ向かう途中、地元の人に学校の評判を聞くと、「すべり止めの学校だけど特に荒れてる様子はないし、先生と生徒が一緒になって街のゴミ拾いをしてたり好感が持てる」とのこと。

その後も何人かの人に声をかけたが、特に問題がある学校ではないようである。

写真

早速、小松原高等学校 教頭 鳥井完氏を直撃した。

「今回のことは、いじめであることは間違いない」
教頭は潔く事実を認める。
ただし、ネット上に実名を晒された3名のうち、この事件に関わったのは実際に携帯電話でいじめ現場を撮影し、投稿した二見(2年生)という生徒1人。

栗原氏は、『確かに加害者とは友達だが、この事件には無関係』。
鎌田氏は、『ネット上にある二見氏の喫煙写真で二見氏の隣に写っているだけ。ただし、この鎌田氏は他校の生徒

実名を晒されている鎌田氏は、全くの別人である。

写真

実名を晒されている鎌田氏は、確かに小松原高等学校の生徒であることは間違いない。しかし、加害者とは、学科も校舎も学年さえも違う。同じ学校とはいえ、加害者と会ったことさえないかも知れないくらいに事件とは無関係な人物だ。
要は“とばっちり”である。ある意味この鎌田氏が一番の被害者といえるだろう。

では、被害者や加害者はどういう生徒だったのだろうか?

被害者は、この日(6月8日)行われた全校集会で、「いじめのない学校作りをしよう」と教頭が生徒に訴えかけた後、教頭のところに来て「助けてくれてありがとうございました」とお礼を言いに来る程純粋な生徒。
加害者(二見氏を含めて6人)は、日頃から先生にマークされているような生徒。
(今回の事件についても、この生徒達が加害者であることは特に意外ではないそう)

加害者達の処分については、現在自宅謹慎中で、停学・退学を視野に入れて検討中とのこと。
似たような他校のいじめ事件で、ある生徒がある生徒のズボンを後ろからズリ下げ、陰部を携帯で撮影したという事件があり、その際、撮影した生徒が退学処分になったことから、二見氏は退学処分になる可能性が高いとのこと。
ちなみに、加害者のうちの一人は、実は被害者とは友達で、被害者の親も「あの子だけは違う。まわりに流されているだけだから」とかばっているという。

学校側は、いじめを厳粛にとらえ、学校の名誉より何より、被害者の心のケア、安全の保障に努めるとのことだ。

現在インターネットの普及により、あらゆる情報を共有しやすくなった。
しかし、その反面、全くのデタラメな情報に踊らされたり、罪のない人々が晒され続けたりという被害があるのもまた事実。
今回の事件は、いろんな意味でインターネットの怖さを露呈する事件と言えるだろう。



島 雷鹿



▼関連記事
イジメ問題 高校生直撃インタビュー!
ネットで人生がバキバキにされる
もし、わが子がいじめを受けたとき

◇上記のタグを自分のサイトに張ってリンクしよう!


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事