私の旦那は母の愛人

依頼者は４２歳の女性。
夫と知り合ったのは今から１８年前。
母親の紹介、お見合いのような感じでの結婚だった。
今は、依頼者、夫、母、義父（母の再婚相手）の４人暮らし。

その依頼者は言う。
「今、夫と母と義父の３人は、皆で私を追い出しにかかっています。」

依頼を受けて、朝から一家を張り込んだ。



まず、依頼者が仕事に出かけた。
次に義父が仕事に出る。
最後に夫が家を出る。しかし、すぐに引き返してきた。



仕事に出かける振りをして家に戻った夫は、何をしているのだろう？
実は、依頼者の許可を得て、家の中には隠しカメラを仕掛けていた。

カメラが映し出したのは、依頼者の夫と母の情事だった。




『自分の夫が、自分の母親と』報告をする俺も複雑な気持ちだ。気が重い。
依頼者が家を追い出されたら、この家族はどうなる？
母と義父と夫の三角関係か？　恐ろしい。

報告を聞き、事実を確認した依頼者は、身の上を話し始めた。

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彼女は、幼い頃から母に虐待を受けてきた。
殴る、蹴る、食事抜きの日々を過ごしてきた。

『母親を殺したいと何回思った事か・・・』

彼女は泣きながら、辛い虐待の日々を語る。
内容は凄惨そのもの。さすがの俺も聞くに堪えない内容が平気で出てくる。

『死んでしまう！　と何度も思いました・・・』

そんな日々の中、彼女の救いは父親だった。
しかしその父親が、突然この世を去ってしまう。


それからは母親の女帝生活だった。

虐待を受け続けたせいで、幼かった彼女は精神障害を負った。
しかし、病院には行けなかった。母が許可しなかった。
当然だ。病院に行かせれば自分の虐待がバレてしまう。

自分で病院に行ける年齢になり、精神科へ通院した。
診断はトラウマによる精神障害。極度の鬱。無気力。

母に抵抗する気力もなく、言いなりに結婚。

その後、母親も義父と再婚する。

さらに、依頼者はその義父に襲われた事があるという。
しかし、その事は夫に内緒だ。 なぜ？　理由を聞くと、

『多分、母親が義父にやらせたのだと思うので。』

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現在、顧問弁護士と今後の対策を検討中だ。
どういう対策をとるにせよ、離婚と、現在の家庭からの転居は間違いない。
当然、母親には住まいを教えない。

これを期に、辛い日々を送り続けてきた彼女に、普通の生活が訪れてくれればと願っている。



ＡＲＥＡ ２００２