●更新日 01/31●


男にストーキングされる男


荒木です。




警察や我々バウンティハンターは犯罪者を逮捕する特殊職業である。
そのため捕らえた犯人から逆恨みを受けるリスクは常に考えておかねばならない。

出所後に投獄された理由から復讐心にかられた犯人の手によって危害を加えられる捜査官は少なくない。
怪我で済めばマシなほうだがあの世送りにされたら洒落にならない問題だ。

幸い私はストレートにやられた事はないが、逮捕した賞金首に度々ストーキングされた。


ある日、ひと仕事終えた私は自宅アパートへと帰路についた。
その際に物影から私の様子を窺う怪しげな人物の殺気を感じたのが事の始まりである。

だが襲撃して来る気配はなかったので部屋で睡眠をとった。

翌朝、仕事に向かうためにアパートの外に出てみたが昨晩の怪しき人物の姿はなかった。
それでも用心に超した事はない。


日本とは異なりアメリカは銃国家なのだ。



いつでも銃が抜けるようにガンホルスターのフックは外してある。


自分で言うのは何だが腕前は確かなので襲って来ないことを願うばかりである。

だがその後も不審者は私につきまとったのだ。


新たな仕事を得るためにLAベイルボンズに立ち寄った。
ビジネスタイムのオフィスでは皆が慌ただしい。

多勢の中に居るのが苦手な性分なのとタバコを吸いたいので即座に表へと出る。

アメリカはレストランをはじめ殆どの場所が禁煙なのでヘビースモーカーの私にとっては面倒な話しである。


そのとき再びビルの陰から私を監視する人の気配を感じた。
正体を確かめたい衝動からその怪しき者の元へと歩み寄って行った。
素早く逃げるその男を追ったが見失ってしまった。



「誰だ、おまえは一体だれなんだ?」




ガル探偵学校



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