●更新日 12/20●


若妻の淫乱生活 女探偵の日記 最終回


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白いバンは業社の車らしく、車体の横に社名が入っている。
後ろの窓にはスモークが貼ってあるため、中は見えない。
が、しかし明らかに始まっている。
アレが。
車は大きく揺れだすし、こっそり近づくと声も聞こえてくる。

おいおい、まっ昼間なんですけど。

確かに、人通りは少なく車もほとんど通らない寂れた公園の脇なので気持ちはわかりますが・・・


調査員として押さえられる証拠は車体の外側のみ。
その他は漏れ聞こえる声だけ。
中ではどうやらSMもどきが始まっている。
なんとかして中の様子を・・・と悪戦苦闘している時に運転席と助手席の隙間から取れた画が
黒いエナメルブーツの画だった。後にそれが美香さんの携帯画像に写っていたブーツと一致する。

その後の3日間の調査で美香さんは全て男性と会い、ホテルに行くかもしくは車の中で行為に及んだ。
全て違う男性で。


その度に美香さんが必ず持っていたのは、クローゼットにしまってあった、あのSMグッズが全て入っている布製バック。美香さんは必ずあれを持って仕事に出ていた。

結構大きいバッグでした。


浮気相手(第二対象者)で判明したことは、全員美香さんの職場に出入りしている人間だったってこと。一人は教え子のパパ、もう一人は教え子 、残り二人はピアノ教室の出入り業者・・・。


報告書を見た南雲さんは愕然とする。
「浮気をしているかもしれない」と不安な日々を過ごしたが、浮気なんて可愛いものではなかった。 一体、どれだけの男と逢っているのか・・・たった4日の調査で4人ヒットするとは稀である。
そして、どの報告書の美香さんもあのSMグッズの入った大きな布バッグを持っている。
南雲さんにしてみれば、それだって同じぐらいショックだった。


結局、南雲さんは離婚した。


思い返せばおかしいと思うことはいくつかあった。
会話が減った。
香水をつけるようになった。
自分が口をつけたものを食べなくなった。

一番気になっていこと。それはここ1年まったくセックスをしていなかったこと。
子供が生まれれば『なかなかそんな気持ちにはならないものか』そう思うようにしていた。
しかし理由はそんなことではなく、もっと別のところにあったようだ。

『いずれにしても、真実が分かって良かったです』

南雲さんは最後に私にそう言った。

真実を知ること。それは辛く悲しいことなのかもしれない。
しかし前向きにこれからの人生を生きる為には、真実から目を逸らしてはいけない。






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