●更新日 12/17●


薬物中毒者 VS バウンティハンター


荒木です。


この世で恐れるものなどは私には皆無だが、手に負えないときは多分にある。
それは薬物を引用していたり精神に異常をきたした、コミユニケーションが一方通行の輩だ。
ネゴシエーションが通用しない人物には武力行使で行くのが基本である。

強盗犯リック・マディガン(29歳)を生け捕りにした際も、やりたくないがいたしかたがなかった。
マディガンは酒屋に押し入ったところを店主に取り押さえられ、LAPDに身柄を引き渡された。
のちに保釈保障を受けて自由の身になり、公判に出廷せずに逃亡した。
賞金首は五千ドルの値札が付いた。
死傷者を出していない酒屋強盗にしてはGOODな報酬であろう。


なぜかいつも逃亡犯は恋人に身を寄せる習性がある。
そこでマディガンの初動捜査も、恋人のジェニファー・メディソン(26歳)のアパートの張り込みから始まった。
私の経験豊富なプロファイリングの成果はやはりあった。
張り込みを始めて二日目の深夜に、恋人のジェニファーを伴ったマディガンが現れたのだ。
酒に酔っているのか、ふたりともご機嫌であった。
私はその様子をうかがいながら獲物の捕獲態勢に入った。


その時に逃亡犯カップルのお熱い状況が一転したのだ。
何を血迷ったのか、マディガンが恋人のジェニファーをいきなり殴りつけたのである。
暴君の一撃で彼女は地ベタに崩れ落ち、気を失った。

私は愛銃コルト45口径自動拳銃のホルスターに手をかけると、即座に車から降りて駈け寄った。



つづく



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