●更新日 03/13●

補聴器を付けた大リーガー


皆さんは、カーティス・プライド(Curtis Pride)というメジャーリーガーをご存知でしょうか?

カーティス・プライド

現在はロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムに所属している38歳の外野手で、今年で21年のキャリアを誇るベテランです。
かつてはニューヨーク・ヤンキースにも所属し、松井秀樹選手と共にプレーしていたこともありました。

このプライド選手ですが、母親が彼の妊娠中にかかった風疹が原因で、聴力の95%を失っています。
現在でも彼の耳には補聴器が付けられてはいますが、実際には気休め程度のものだそうで、誰かと会話をする際には読唇術を使って相手の話した内容を理解しているようです。

耳が不自由というのは野球選手、特に外野手にとっては凄く大きなハンデとなり、例えば打者がバットでボールを捕らえた時の音で打球の飛距離や落下地点を予測することが難しくなる他、味方選手との連携や声による意思の疎通もうまく出来ない為、下手をすれば自軍の選手同士で交錯してしまう可能性だってあります。

それでも野球を続けるプライド選手。
1986年のデビュー以来、まだ一度もメジャーに定着した事が一度もなく、メジャーとマイナーを行ったり来たりするような生活を続けていても、彼はその生活を楽しみ、何より野球選手として野球を続ける障害者である事に「プライド」を持っています。


「この国には自分のように耳の聞こえない人間がそんなに多くいないからこそ、自分が子供達に『信じていれば夢は必ず叶うんだよ』って事を教えてあげることができればと思っている。言葉なんかいらないんだ。だって彼らは障害を持ちながらも活躍している野球選手を見て『あの人ができるんなら自分にもできる』って思ってくれるからね」


幼い頃から野球選手にあこがれ続け、大きなハンディキャップにも負けずに自らの夢を実現させたプライド選手。
日本では龍谷大学の曽我健太選手が今治西高校時代に「義足の野球選手」ということで甲子園を沸かせましたが、現中日のサイレントKこと石井裕也投手が高校生だった時には、左耳が全く聞こえないという難聴がネックとなって、どの球団からもドラフト指名されなかった過去があります。


曽我選手石井投手 左が曽我選手、右が石井投手

上記のプライド選手の言葉が、一人でも多くの野球ファンやプロ野球選手を目指す世界中の少年達、そして日本のプロ野球関係者の心に届くことを願ってやみません。



John Doe


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