●更新日 03/04●

三大ドヤ街「山谷」の今


日雇い労働者が集う街「山谷」(現在地名としては消滅)
泪橋交差点を中心とした台東区・荒川区にまたがる素泊専門の簡易宿泊施設が多くある地域。


島雷鹿

戦前より貧困層や労働者が移住し、高度成長期には労働需要の高まりもあり、日本有数の寄せ場として発展。

現在は日雇い労働者の高齢化、人口の減少等の問題を抱えているという山谷へ向かった。

島雷鹿

着いて10分もしないうちに、仕事にありつけなかった日雇い労働者が僕に向かって何か叫んできた(何故か英語)
聞こえないフリをしてそのまま探索していると、すれ違う人々からはまるでよそ者を警戒しているかのような目でじろじろ見られてしまう。
街に若者の姿は無く、どうやら高齢化が進んでいるというのは事実のよう。

島雷鹿

商店街では、路上に布団を敷いて寝ていたり、昼間から酒を飲んでいる日雇い労働者達の姿をあちこちで見かけるが、とても話しかけられる雰囲気ではないので、この街で古くからお店を営んでいるおばあちゃんに話を聞いた。

この辺りは昔からこんな感じだったんですか?
昭和40年代は車が通れないぐらいの人が道路に溢れてました。当時はみんな若く、働いていたので今みたいに路上で寝泊りしてる人なんていなかった。みんなその辺にあるホテルに泊まってました。
現在は仕事も無く、だいぶ人も減ったしみんな年をとった。

この辺りならではのエピソードはありますか?
この辺りは過去にいろいろあった人が多く、素性は聞かないのが暗黙の了解です。2つの名前を持ってる人も多い。
7〜8年ぐらい前かな。ある労働者が亡くなったんです。
その人は妹の結婚資金を全部持ち逃げして山谷にやって来たんですが、それでも何処で聞いたか、家族の人は遺体を引き取りたいと言ってきたそうです。
そして、その時に実はその人が結構有名な小説家だったということを知りました。その人も2つの名前を持つ人で、ここでは偽名を使ってました。


話を聞けば聞く程、この街の様々な人間模様と、何とも言えない異様な景色に驚かされる。
この街の壁にはやたら「お酒を飲んでいる人立入禁止」や「立小便禁止」等の貼り紙が目立つ。

島雷鹿 犬はOK??

それがまた他の街とは一味違う独特の退廃的な雰囲気に拍車をかけているのだろう。

島雷鹿 禁止されるだけあって歩いていると度々見かける

今、山谷に必要なのは『労働』よりも『福祉』なのかも知れない…。



島 雷鹿


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