●更新日 02/04●

会社倒産!?『呪われた巨人ファン』


新宿ロフトトプラスワンで開催された某イベント中、ある奇妙なタイトルの漫画が紹介され、場内が騒然とした。

リ・コウジ

『呪われた巨人ファン』

マニアの間でも、読んだことのある人がほとんどいない珍しい漫画のようで、観客達は

「あれ読むと、とんでもない目にあうらしいよ…」

などと囁きあっている。
一体どんな漫画なのか!?

その後、この漫画を所有する漫画マニアA氏との接触に成功。
問題の『呪われた巨人ファン』を目にすることができた。
この漫画は1985年発表、作者は城(くずき)たけし氏。

リ・コウジ

物語を簡単に説明すると、主人公は巨人対阪神戦を観に行った巨人ファンの少年ひろし。
試合は巨人が負けたのに、周りの人は皆「巨人が勝った」という。

リ・コウジ

そこで、ひろし少年は巨人が負けたことを証明しようとするが、誰にも信じてもらえず、唯一の証人だったおじさんも死んでしまい、父親との関係もこじれる。
そして追い詰められていく、ひろし少年は狂気へと引きずりこまれていく…。

リ・コウジ

物語は陰鬱で薄気味悪いテンションで進み、途中で意味不明の展開になり、題名同様、明らかに異様。
同じく漫画マニアのB氏も

「読んでいて気持ち悪くなりました」

なぜ、このような異様な作品が生まれたのか?
聞くところによると、城氏が『呪われた巨人ファン』を執筆していた当時は、いつも自殺を考え

リ・コウジ

発狂していた状態。
その為、城氏自身も、なぜこのような作品ができたのか分からず、それどころか自分がどんな物語を描いたのかすら覚えていなかったそうだ。
まさに「狂気から生み出された作品」

そんな逸話もあり、「幻の作品」として伝説化していた『呪われた巨人ファン』だが、1998年『呪われたマンガファン』という単行本に収録される形で復刊される。
そして、このことがこの漫画に新たな伝説を加えることになった。
なんと復刊した出版社がその後倒産してしまったのだ。

その為か、この漫画が再び復刊される予定はないという…。



リ・コウジ 写真


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