●更新日 06/27●

イタリア、後半ロスタイムのPK弾で薄氷勝利


決勝トーナメント1回戦
イタリア(E組1位) vs オーストラリア(F組2位)
         1 − 0

アメリカと引き分けた以外は順調に1次リーグを首位で通過したイタリア。
2位通過なら決勝トーナメント1回戦の相手はブラジルだったことを考えると、ここまではほぼシナリオ通り。
対するオーストラリアは初の決勝トーナメント進出だが、ご存知のように後半終了間際に日本から3点を奪った粘りのあるチーム。
クロアチア戦も先行されながらも追いついて引き分けに持ち込んでおり、ここからさらに今大会の台風の目となれるかどうかが注目される。


前半開始3分、早くもイタリアに決定的なチャンス。
デルピエロが左サイド奥まで切れ込んで正確なセンタリング。これを待っていた長身FWトニがヘディングで合わせるが、ボールはポスト右に外れて得点ならず。

さらに7分、12分とイタリア攻撃陣はゴール前に怒涛のラッシュを見せるが、オーストラリアDFが必死のブロックでどうにかゴールを割らせない。

イタリアは20分にジラルディーノのボレーシュート、22分にトニの振り向きざまのシュートとかさにかかって攻め込むが、オーストラリアGKシュウォーツァーが好セーブ連発で得点を許さない。

24分、ようやく反撃のチャンスを迎えたオーストラリア。
左からのFKを中央右寄りで受けたビドゥカがヘディングシュートも、これはキーパー正面。
30分には右FKからのこぼれ球をDFチッパーフィールドがグラウンダーのシュート。しかしこれもGKブッフォンの好セーブに阻まれる。

ここからはパスカットの応酬が続き、中盤でのボールのやりとりに終始。
前半は互角のまま0−0で終了となった。


後半はやや荒れた展開からスタートする。
4分にはオーストラリアMFケーヒルにイエローカード。
そして直後の5分、今度はイタリアDFマテラッツィが微妙な判定で一発退場!


これで10人となったイタリアは苦しくなり、数的優位のオーストラリアにチャンスが広がる。

どちらもシュートまで持ち込むチャンスを何度か作り出すも、ゴールを奪うまでには至らない両チーム。
猛暑の中、3人の交代枠をフルに使うイタリアに対し、オーストラリアのヒディンク監督は延長戦を見据えたのか、交代のカードを1枚だけしか切らない。

表示されたロスタイム3分も終了する間際、フリッツ・ヴァルター・シュタディオンの誰もが延長戦を確信した中、フィニッシュシーンは唐突に訪れた。

左サイドからエリア内に侵入してきたイタリアDFグロッソに対応したオーストラリアDFニールだったが、芝に足を取られて転倒。
これが運悪くグロッソの進路を塞いでしまい、レフェリーはペナルティースポットを指差す。
あまりにも無情なこの判定に猛抗議のオーストラリアイレブンだったが、判定が覆るはずも無かった。

大ブーイングの中、トッティがプレッシャーを跳ね返すように強く蹴ったボールはオーストラリアのゴールネットを揺らし、試合は同時に劇的なタイムアップ。


後半開始早々に判定に泣かされ、最後の最後に判定に助けられた感のあるイタリア。
4度目のワールドカップ優勝を手に入れるには、これぐらいの大きな運が必要なのかもしれない。



シェリー


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