●更新日 06/25●

アルゼンチン、延長戦でメキシコを下し準々決勝へ


決勝トーナメント1回戦
アルゼンチン(C組1位) vs メキシコ(D組2位)
           2 − 1


1次リーグでは攻撃陣の爆発で、オランダと勝ち点で並んだものの首位通過となったアルゼンチン。
魅力溢れる攻撃陣が決勝トーナメントの舞台でも力を発揮すれば、優勝も射程圏内に捉えられるチームだ。
対するメキシコだが、1勝1分1敗の勝ち点4ながらも決勝トーナメント進出を決めた運の良さを味方につけられれば、波乱を引き起こす可能性も十分あり得る。


前半序盤から早速試合が動いた。
メキシコは6分、パルドが右サイドから蹴ったFKを、最も二アサイドで張っていたマリオ・メンデスがヘッドでアルゼンチンDF陣の上を通し、ファーサイドに流す。
このボールが最もファーサイドに詰めていたDFマルケスに届き、マルケスはスライディングしながらのボレーシュート!
身長差を克服する理想的なボール運びでメキシコがリードを奪う。


しかしアルゼンチンも黙ってはいない。
10分、リケルメの右CKをクレスポがメキシコの長身FWボルヘッティと競り合いながらもゴールへ押し込み、あっという間に同点に追いつく。


一歩も引かない両チーム、決定的なチャンスが次々に生まれていく。
23分のアルゼンチン、カンビアッソが前にはたいたボールにクレスポが抜け出してキーパーと一対一に。
ここでループシュートを選択したクレスポだったが、緩やかな弾道を描いたボールは枠に入らず。

直後の24分、今度はメキシコが相手ゴール前で細かいパスを繋ぎ、最後はボルヘッティの強烈な右足からのシュート。
しかしこれはGKアボンダンシエリの手が届きゴールならず。

一進一退の攻防が続いていた前半のロスタイム、再びメキシコにチャンスが訪れる。
アボンダンシエリの短いゴールキックをDFエインセがまさかのトラップミス。このボールをフォンセカが奪い去り、エインセは慌てて突っ込みフォンセカを倒してしまう。
抜ければ1点という局面でのファウルだったが、イエローカードで済んだうえに、メキシコDFモラレスのFKは壁に当たりゴールならず。
ツキがアルゼンチンに傾きつつある印象を残し、前半はここで終了した。


後半序盤はやや落ち着いた展開が続き、ボルヘッティ、サビオラの両チームFWがそれぞれ決定的な場面で得点を奪えず、試合はこう着状態に。

両チームともに交代枠3人を使い切り、まさに総力戦となったが90分では決着がつかず、決勝トーナメント2戦目にして早くも延長戦での決着を迎えることとなった。
まさに疲労困憊といった風情の両チームだったが、最後の力を振り絞って再びピッチに向かう。

延長前半9分、右サイドを中心に攻めるメキシコに対し、アルゼンチンは同じサイドからチャンスメイク。
メッシのパスを受けた左サイドバックのソリンが大きなサイドチェンジ気味のクロスを上げる。
これを受けたマキシ・ロドリゲス、胸でワントラップして足元に落としたボールを、左足でドライブをかけたボレーシュート!


この完璧なファインゴールでアルゼンチンに待望の追加点が加わり、ライプツィヒ・ツェントラルシュタディオンのアルゼンチンサポーターは国旗を振り回すパフォーマンスで喜びを爆発させる。

今回の大会では、過去2大会で採用されていたゴールデンゴール方式ではなく、15分ハーフの延長戦が行われるため、試合はここから続行されたが、2時間走り続けた選手たちはトラップも大きくなり、パスに正確性を欠いていく。

そして試合はこのままタイムアップを迎え、2−1でアルゼンチンの勝ち上がりが決まった。

アルゼンチンは今後の疲労が心配されるが、日程にも恵まれ、次は中5日での再登場となる。
準々決勝の相手は絶好調のドイツ。次も厳しい戦いが予想される。



シェリー


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