●更新日 06/18●

イタリアvsアメリカ、引き分けで全チームに可能性残る



グループE

イタリア vs アメリカ

    − 1


この試合の開始1時間前にガーナとチェコが勝ち点3で並んだグループE。これはイタリアアメリカ両チームにとってグッドニュースと言える展開。
もっとも、会場となったフリッツ・ヴァルター・シュタディオンに詰め掛けた両チームのサポーターにとっては、目の前の試合における自国の勝利にしか興味がないだろう。

キックオフ早々からファールが目立つアメリカ。当たりの激しさからファウルでチャンスを潰していくが、これが波乱の一戦を暗示していた。

そして最初のチャンスはアメリカ。16分、左CKで流れたボールを右から折り返し、エリア内フリーのMFコンベイがボレーシュート。しかしこれをふかしてチャンスをフイにしてしまった。
続く18分にもDFマストロエニのスルーパスを受けたMFデンプシーが振り向きざまにDFの股を抜いてシュート! しかしこのシュートも左に流れ得点は奪えず。

22分、イタリアはトッティへのファウルで得たFKを右サイドからMFピルロがゴール前に流し込み、これを頭で合わせたFWジラルディーノのシュートが鮮やかに決まり先制。

しかしこの先制点で勢いをつけたかったイタリアに思わぬミスが生まれる。
27分、アメリカの右からのFKを、自陣ゴール前に張っていたイタリアDFザッカルドが痛恨のオウンゴール! アメリカは労せずして同点に追いついた。

これで焦ったのか、再キックオフ直後にイタリアMFデ・ロッシがアメリカFWマクブライトの顔面に思いっきりヒジ撃ち!
マクブライトは流血、デ・ロッシは一発レッドで退場となった。

イタリアは一人少ない10人となり、35分に既に1枚イエローカードを受けていたトッティを下げ、MFガットゥーゾに交代しリスクの軽減を図る。

前半終了間際の44分、数的優位から押していたアメリカだったが、レフェリーの目の前でボランチのマストロエーニが、両足の裏を見せたスライディングでピルロの足を削りに行き、こちらも一発退場。
スタジアムは騒然とした雰囲気に包まれる。

後半開始直後の2分、アメリカはDFポープが2枚目のイエローカードで退場。ついに両チーム合わせて3人目の退場者となり、10人対9人に。

勝てば決勝トーナメント確定のイタリアは9分、ザッカルドを下げFWのデルピエロを投入。しかし通常より2名少ないアメリカも、カウンターに勝機を見出す。

18分、MFドノバンからのスルーパスを左サイドで受けたマクブライトがシュート! しかし決定的なチャンスに大きく外してしまう。
20分には途中出場のビーズリーのシュートがゴールに吸い込まれたが、これは前に居たマクブライトがオフサイドになり幻のゴール。アメリカはどうしても追加点が奪えない。

一人少ない相手に勝たない訳にはいかないイタリアは28分、ピルロのパスに抜け出したデルピエロが左足アウトサイドでボレー!
しかしこの至近距離のシュートをGKケラーが右手一本ではじきゴールならず。見ごたえのある攻防を魅せた。

ケラーは34分にも、デルピエロの右足から繰り出された強烈なシュートをファインセーブ。最後列からチームの士気を上げる。

人数が少ないアメリカは手数をかけて攻撃するが、イタリアゴールを脅かすまでには至らない。
残り5分、アメリカは防戦一方となるも試合終了までゴールを守りきり、殊勲ともいえる引き分けで勝ち点1をゲット。

首の皮一枚で決勝トーナメント進出への望みをつないだアメリカサポーターのUSAコールと、決勝トーナメント進出を最終節まで持ち越したイタリアサポーターのブーイングが、この結果の意味を表していた。



ヤマダ


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