●更新日 06/12●

オランダにニューヒーロー誕生!


グループC

セルビア・モンテネグロ vs オランダ

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往年の名選手マルコ・ファンバステン監督、そして伝統の4−3−3システムを引っ提げて、日本でも非常に人気の高いオランダ。対するは、激動の90年代をくぐりぬけ、この国名では最初で最後の出場となるセルビア・モンテネグロ
どちらも欧州予選を無敗で突破した実力拮抗の両チームの一戦は、白樺の花粉舞い散る旧東ドイツ領のライプチヒ・ツェントラールシュタディオンにて行われた。

前半早々から高い位置でボールを積極的に奪うオランダに対し、セルビア・モンテネグロはかつて“東欧のブラジル”と呼ばれたテクニカルなチームカラーから様変わりした、中盤を省略してカウンターを狙うスタイル。

最初のチャンスはセルビア・モンテネグロ。MFジョルジェビッチが左から切れ込んでグラウンダーでクロスを入れるが、ミロシェビッチケジュマンの両FWが重なってしまいシュートまで持ち込めず。

18分、序盤から押し気味に試合を進めていたオランダは、ファンペルシーのワンタッチパスに反応した左ウィングのロッベンが中央から抜け出し、落ち着いて先制のゴール!


セルビア・モンテネグロのFWケジュマンが不調なのを尻目に、勢いに乗るロッベンは矢のようなミドルシュート、大きなサイドチェンジを受けてのセンタリング、右足でのシュートと大車輪の活躍。

オランダサポーターは試合が進むにつれ、ロッベンにボールが渡ると大歓声をあげはじめ、ニューヒーロー誕生の瞬間を感じさせた。

悪い流れを断ち切りたいセルビア・モンテネグロは、前半終了間際にジョルジェビッチをMFコロマンに交代。ロスタイムにそのコロマンの強烈な左ミドルが外れたところで前半終了。

後半開始と同時にセルビア・モンテネグロは交代して入った2mのFWジギッチをターゲット役に、ポストプレーからの得点を狙う。ボール支配率も上がってコロマンからのチャンスメイクが段々と形を作り始めるが、なかなかシュートまでは持ち込めない。

後半に入ってもロッベンの勢いは止まらず、エースのファンニステルローイがベンチに下がっても、ドリブル、セットプレイ、シュートと八面六臂の活躍を見せる。


後半は両チーム合わせて5枚のイエローカードが出され、やや荒れた展開に。
オランダはベテランGKファンデルサールの足が二度つるなどのアクシデントはあったものの、終わってみれば得点差以上に勢いの差を感じさせる貫禄の勝利となった。

クライフを擁した74西ドイツ大会のオランダ旋風が、32年後の同じドイツの地で再び吹き荒れる可能性は十分だ。



ヤマダ


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