●更新日 06/07●

2児兄弟殺人犯、風邪こじらせ死亡


鬼畜の所業――。
検察がそう斬り捨てた殺人犯。
殺されたこの兄弟を覚えているだろうか。

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▲殺害当日に撮られたそうめん大会の写真がこの世に残った唯一の写真となった。

栃木県小山市で2004年9月に起こった2児殺害事件で、第一審で死刑判決を受け控訴していた下山明宏被告(41)が、拘置中の東京拘置所で風邪をこじらせ死亡していたことが昨日発覚した。
幼い二人を生きたまま川に投げ込むという残酷な行為、「死刑で当然」という世論の流れだったが、こうした結末で終わるとは誰も予想だにしていなかっただろう。

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▲遺体発見まで時間もかかった。

当時、現場では早くから「被害者父」がマークされており、警察関係者も「小林さん」ではなく「小林」と呼び捨てにするほどだったという。
元々覚せい剤をやっていると噂されていたが、その通り逮捕されてしまうことにもなった。

そんな父親には、下山被告以上にバッシングも膨らんでいた。
最悪の行為に走ったのは下山被告だったが、元を辿ればこの父親がすべての引き金だったからだ。
借金から逃げるように、下山被告の家に居候。
家のなかでは“支配者”となり、家賃も公共料金も払わず、夏場はエアコン部屋を占領。
下山被告の娘に悪戯することもあり、会見ではその実名まで暴露した。

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報道によれば、下山被告の死亡について「2人の子供が帰ってくるわけではない。これといって言いたいことはない」と父親。

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この事件で悔やまれたのは、異変に気づく人がいたのに誰も止められなかったことだ。
殺害直前に寄った某ガソリンスタンドのトイレのドアの向こうでは「何かドカドカやっている音」が聞こえていたという人も。

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兄弟が最後に目撃されたのはレンタルビデオ店で二人揃ってビデオを鑑賞していた姿。
目撃した女性は「こんなことになるってわかっていたらあの時止めていたのに!」と涙を流していた。

死刑になるべき人間が罪をつぐなうことなく死んでしまったこの事件。
下山被告は先月、「天国にいる兄弟に早く謝りたい」と話していたそうで、風邪をこじらせて死亡、という結末にもいささか疑問の残るところである。
控訴しながらも、死を望む心境の変化があったのだろうか。

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▲そうめん大会が行われた教会

今後この事件が報道で語られる機会もなさそうだが、人々があの写真の二人を忘れることはないだろう。



カグウェル


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