関さんと、彼女の憂鬱

関智一。

日本を代表する声優の一人で、通称「腐女子」と呼ばれる一部のファンから絶対的な支持を受けている男。

下ネタの名人かつ、体のことを顧みず自分のキャラを完璧に演じる真面目さでも噂になっている。

そんな彼が昨年の５月初、あるスキャンダルに巻き込まれた。

2005年8月にあるプラモデル関係のイベントで、関がある女性参加者に「君が代」とサインしたことが発端となり、所属事務所から謝罪のメッセージを発表する事態にまで発展したのだ。

いくら「君が代」とサインしたとはいえ、良識のある人なら「何でそんな駄目なの？」と思ったり、容認できなくもないはず。

しかし、そのサインをもらったのは生憎韓国人の女性であり、それに憤慨した彼女は自らのブログでその始末を公開した。




削除された彼女のブログ


今はID丸ごと削除されて何も残ってない彼女のブログには、「関さんが私を睨んだ」「私が韓国人であることに気づいたようだった」「私の前で何かを考えていた関さんは、私のザクウォーリアに「君が代」とサインした」と書いてあった。

韓国では「君が代」を軍国主義の象徴と見なし、日の丸とともに批判の対象になっている。そんな関の行動にガッカリした韓国のファンも少なくなく、「君が代」と書いただけで彼が極右主義者だと断定し、激しく非難する人もまた多い。

関の所属事務所であるアトミックモンキーは5月9日、この事態に関して「韓国人が抱えている日本のイメージの認識の低さと配慮の足りなさから起きた事件」との旨を関智一の韓国ファンクラブを通じて公開した。この謝罪文も、事件当事者のブログの消滅とともに消されている。




「事件の原文が削除されたので、こちらの文も下げます」


事件は両方の譲歩により解決されたかのようにみえる。

しかし韓国では関本人のコメントがないとの理由で、未だ非難世論が収まらない。

事件当事者の女性はブログを削除する前に「それでも関さんが好き」だと書いた。思いにも寄らなかった事態に、彼女自身も驚いたのであろう。


1年前の事件、9ヶ月後の論難。

彼女と関はどんな思いでこれを見ているだろうか。



天口