●更新日 04/17●

悪徳探偵


RKB事件の取材を終えてガル福岡を後にし、帰京しようと思っていた矢先、気になる見出しのニュースが目に入った。

北九州市の自称探偵、派遣社員から現金搾取

※ 事件の概要
派遣社員である女性に、弁護士から依頼を受けるために1000万円を弁護士の口座に入金しなければならないと嘘を言い現金70万円を騙し取った疑いで10日に小倉北署に逮捕された。


依頼者をだます探偵もアレだが、自分の会社で働いてる人間をだますとは・・・
せっかくなので小倉へ寄り道、この事件の調査もこなしてきました。



その男は、一木 拓郎(48)


福岡県北九州市小倉北区黄金2丁目のマンションに事務所を構え

写真 ※事務所マンション入口

“自称”探偵として『九州総合調査事務所』の商号で探偵業を営んでいた。

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簡単なホームページも開設しているが、いわゆるモグリの探偵社だ。
サイトを見ただけではわからないが、この物件で社員12名が勤務できるわけがない。
虚偽の記載もいいとこである。

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当然、出入口に探偵社の看板も有るはずが無く、他の住民や、隣の住人でさえもが口を揃えて「探偵社があったなんて全く知りませんでした」と言う。




次に、自宅マンションの住民に聞き込み調査を行った。

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「挨拶もしない男なんで、このマンションの中に付き合いのある人も居ないんじゃない」
「人を睨む様にして見るから怖いんですよね、他の住民からの評判も良くない方でしたよ」
と、悪評ばかり。


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管理人にも、一木容疑者について聞いてみた。
「5年前に入居してきて、1年間だけマンションの購入費※を支払っただけで、現在まで一度も支払ってないんですよ。
家族は、奥さんと高校生になる息子さんが居ました。自宅の支払いもしない位だから金に困って今回みたいな事件を起こしたんじゃないですかね」
とのこと。
 ※ 管理費のことを言っているのだろうか? ともかく印象が悪いことは確かだが。



ちなみに2つのマンションの不動産登記簿をあげてみると、そこには一木容疑者の名前はなく、あったのは「古賀義文」と「古賀毅」という男の名前。
この古賀一族が黒幕か?
まあ社会性の低い事件なのでこれ以上の追及はしないが・・・私が今回の調査で言いたいのは
こいつは断じて“探偵”ではないっ!
ということ。
ろくな営業(広告・宣伝)もしておらず、まともな依頼もなかったはずだ。
もっとも、肝心の調査力もほとんどないのであろう。


今だに『ニセ探偵』や『悪徳探偵』が横行しているのは、我々含めマジメにやってる探偵にはいい迷惑。
一緒のイメージで見られてしまうのでね。
では、また。



松田 写真


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