●更新日 12/14●

ある路上による聖地巡礼


いきなりですが、池袋の西口公園といって連想するモノは何でしょう?

かなり昔はナンパの聖地、ちょっと前だとドラマ「池袋ウエストゲートパーク」ファンの聖地だったり。
何かと「聖地」扱いをされている場所では有りますが、今の池袋西口公園は何の「聖地」だと思います?

ナンパ? 喧嘩?  いえいえ・・・・




今は将棋の聖地



「西口公園で将棋?」

「嘘だろ?」と思われる方が殆どだとは思いますが、実際に公園では毎夜将棋している人がかなりいます。


写真 路上での将棋


このオジサン達のように、公園の片隅では名も無きタイトル争いが。

既に時間は23時過ぎ。この日は風も強く、気温も10度くらいでちょっぴり寒いはずなのに


写真

将棋を指す


何故ここで将棋を指すのか・・・話を聞いてみましょう。


「何故って?うーん。将棋倶楽部みたいな所で指すよりも気楽だし、お金もかからないですから。それに路上なら色々な人と話せるんですよ。大抵みんな子供の 頃に将棋ってやったことあるから話もできますからね。全然知らない若い子が急にアドバイスをくれたり。そういうのって、路上だから起こる交流でしょ?将棋自体は 元から好きだったけど、そういった人と人との触れ合いがあるから路上でやってるんだと思います。」

この日将棋を指していたのは30代〜50代の人達で、サラリーマンの方やホームレスの方など様々な人たちが談笑しつつ真剣に勝負を楽しんでいた。


周りを囲む観戦者もかなり幅広い。
主に足をとめるのは40代くらいのサラリーマンだが、時には20代の若者も「路上の棋士」たちに目を向ける。

「あぁ、おじさん!さっきの詰みだったのに勿体無い!!」

そう言いながら若い子が横から口を出す。しかし棋士達はそれを快く受け入れる。

「そうかぁ、読みきれなかったなぁ」

談笑をしながら将棋を指す。

世代も職業も全く違うが「将棋」という共通の話題だけで、時間を忘れて語り合う姿は何やら見ていて微笑ましい。

これから夜はかなり冷え込むが、「聖地西口公園」では今日も路上の月下の棋士達が語らいながら熱く指し続けている。

写真



路上での一番に興味を持ったなら、一度行ってみてはどうだろうか?



マック平山(校正・山木)


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