●更新日 12/08●

40歳手前のピーターパン


「ニート」が問題視されている。
しかし、労働意欲が欠落しているのは何も若者ばかりではない。
今回、40歳を間近に控えているにも関わらずフリーターである、H氏に話を聞いた。

▲彼の家にて撮影
現在H氏は実家(両親健在)で彼女と同棲しており、雑貨屋でのバイトを収入源としている。
過去に2度社会人経験があったが、どれも気質に合わず辞めてしまったそうだ。

彼は普通のサラリーマンのように会社勤めをし、上司の言うことばかりを聞くのが苦痛だと言う。
サラリーマンである同級生を見ると、真剣に「すごいなぁ」と尊敬の念を抱くそうだ。

彼はひきこもりというわけでも無く、友人たちとはよく遊んだりしている。
友人達は、
「お前は好きな事ができていいなぁ」
とH氏を羨むそうだが、その度
「自由にやっていくためにはそれなりの努力が必要やぞ」
と答えているという。


無類の漫画・特撮・スタートレック好きである彼の部屋を見回してみると、


▲壁一面の本棚にぎっしり詰め込まれた漫画


▲全部集めたスタートレックファクトファイル


▲仮面ライダー剣(ブレイド)のおもちゃ


どこか少年ぽさを感じる。
彼の両親は早く出て行けと言うそうだが、その度、
「もう兄貴と姉貴が出て行ってるのに、俺まで出て行ったら寂しかろう」
と、説得(?)しているんだそう。

そんなH氏には、夢が2つある。
1つは、漫画家になって生計を立てること。
しかしこれは、アマチュア時代に漫画を描きすぎて腕を壊してしまったことで半ば諦めているという。
もう1つは、今アルバイトに従事している店を乗っ取ることである。


しかし、野望はあってもお金が無い。
彼はタバコの火をつけながら

「年末ジャンボが当たればなぁ…」
と、ため息交じりで言った。


雲のように自由に生きる彼の座右の銘は、


「明日は明日の風が吹く」



彼の顔には、危機感なんてものは微塵も無かった。



huze 


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