●更新日 08/03●

池袋駅立教大生殺人事件は今(2)


未解決のまま8年を経過した池袋立教大生事件について6月に掲載したところ、読者の方から多数の情報が寄せられました。
被害者の父小林邦三郎さんに見て頂いたところ、目新しい情報が多く関心を寄せられているようです。
現段階で詳細について載せることはできませんが、小林さんから皆さんに「よろしくお伝えください」と承っております。
ご協力ありがとうございました。


戦後最も暑いと言われる今年の夏も、小林邦三郎さんの署名活動は続く。
小林さんは現在、息子を殺した犯人探しをする一方で、殺害による犯人未逮捕の国家責任に関して法改正を求める署名活動を行っている。
また、自分の息子が殺された事件だけでなく、別の殺人事件についても通行人に知ってもらおうと、ほとんど毎日関東地方の各駅を回っているのだ。

「各駅でやることに意義がある」
そう話す小林さんの志は、我々の考える以上に高い。
「今の活動が、何十年経った時の布石にでもなっていれば……」
今すぐ結果がでることではなく、とてつもない忍耐を課せられる活動である。
しかし小林さんの活動に、足を止めるのはほんの一握りの人だけ。
「法を変えるのにみんな関心がないのかな」
と、世間の意識の低さを毎日肌で感じてもいるようだ。


実は前回の取材時、小林さんから一枚の写真を見せてもらっていた。
その写真は犯人の特徴「右目尻の傷、重たいまぶた」をほぼその通り写したものであった。



しかし警察の調べにより、その後この男性が犯人でないことが明らかに。
小林さんは「今度こそ犯人か」と思っていたようだが、またもや空振りに終わった。
これまでこうして同じようなことが繰り返されてきているが、決して諦めることなく死ぬまで犯人探しを続けるつもりだという。

「私と同じような親父連中はほとんど足止めないね。私も息子が亡くなったからこうしてるけど、もしそうでなかったら同じようにこういうことに関心がなかったかもしれない。我々の世代がこんな時代を作ったのかななんて思ったりもするね」

事件の被害者という立場になったことで、小林さんの人生は大きく変わった。
事件を風化させないために、そして世間に殺人被害者の立場を知ってもらうため、小林さんは今日もどこかの駅で街頭活動を行っている。



探偵ファイル・カグウェル



前の記事
今月のインデックス
次の記事