〜 全てが全て、動物好きなわけではない 〜
「特集・ペットブームの影に」 、最近では「人の悪意、生き物の命」
探偵ファイルでは人間のエゴの下、不幸になって行く生き物（主にペット）を取り上げる事が多いです。その際、頂くメールのだいたいが賛否の「賛」の感想になるのですが、今回は表題の通り、「否」の部分をご紹介致します。
今回、メールを送らせていただいたのは、探偵ファイルで取り上げられてきたペット関連の記事のほとんどが犬好きによる犬好きのための記事であるように感じたからです。犬嫌いの私が今日まで生きていて、『犬が好きな(または、嫌いではない)人は「この世の全ての人間が犬を愛してる」と思っている。』と感じています。
もちろん、これは犬の責任ではありません。人間の責任です。
―「人の悪意、生き物の命」 を読んで
山木さんの記事の中に「Aはムカついたから殺した」とありますが、仮にAが『犬』をムカついて殺したんであれば、私はその気持ちがわからなくもないです。
もう、お分かりかと思いますが私は動物、特に犬が嫌いです。犬は「怖い」と言ったほうが良いかもしれません。私にとって犬はライオンや虎などの猛獣と一緒です。人間ぐらいの大きさの犬も、ネコぐらいの大きさの犬も私は怖いのです。
犬をヒモ無しで散歩させていて、犬が他人のほうに寄っていく様子を目にすることがあります。そんなとき飼い主は大抵、傍観しているか、飼い犬を見て満面の笑みを浮かべています。私に寄って来たら間違いなく逃げていますが、寄っていった先がAのような人間で、さらに犬嫌いだったらどうなるでしょう？間が悪く、機嫌など悪かったら恐らくタダではすまないと思います。しかし、これは誰の責任でしょうか？世間一般では犬に暴行などを加えた方が悪いということになるのではないでしょうか？しかし、これは飼い主側が100%悪いと私は考えます。飼い主が犬を嫌いな人もいることを常に考えていれば、ヒモ無しで散歩させることなど無いと思います。それに、相手は犬です。動物です。いつどこで暴走するか分かりません。人を噛んで怪我をさせたというニュースも何度か聞きました。飼い主としては、自分の仕付けは完璧だと思っているのかもしれませんが、それは飼い主のエゴです
『犬だから吠える事など当たり前の事なのに』とありましたが、これも犬好きだから言えることです。もちろん、吠えることは当たり前です。しかし、その鳴き声は犬嫌いにとってかなりのストレスになります。今日の記事内での状況はかなり特殊は状況であって吠えて当然と思いますが、町中でワンワンキキャンキャン、家の中でもワンワンキャンキャン、他の犬が近づくとワンワンキャンキャン、犬好きには想像も出来ないであろうストレスです。
記事の定期的な連載をお願いするとともに、私のような犬嫌いの存在も記事に反映していただければ幸いです。
犬は、嫌いな人から見れば猛獣と一緒 全部が全部好きな人ばかりではない
以上、ちゃんとした意見をご紹介しました。編集部には、「犬の命と、牛や豚の命、どこが違うんだ。肉食べてるくせに偽善だ」といった類の紹介するに値しないメールはかなり届きます。 こうして、ちゃんと自分の意見を伝えて来ることは珍しい。
しかし、「犬猫くらい、煩ければつい殺してしまうことくらいある。騒ぎすぎ」 という意見も来ることは来るので、その手の意見にはここで反論を。
― 記者（山木）の私見
嫌いだからといって殺していいかという問題は残っていますし、家畜の場合と犬の場合には明確な違いがあります。
何か合理的な理由があって命の選別をしているというわけでもない。「人の悪意」の事件の場合も、犬がある人のペットだった、つまり特定の人との関係性を持って生きていたという点が、一つのポイントになります。野良犬の場合でも、元々は誰かに飼われていたわけだから、それは変わらないわけであって、たとえネズミでも誰かに飼われていたペットだったら、やはり人々の同情の対象になるかもしれません。
そうなると、人々が尊重する、できる、すべき、生命の範囲はどこまでか、という問題になるわけで、その範囲は人それぞれ違うわけだから、動物嫌いの人（範囲の狭い人）が自分より範囲の広い人（もっと動物が好きな人）の尊重する範囲を無視して、ペットを殺してよい「権利」は無いでしょう。
積極的に「生命を守れ」という話になると、狂信的な動物愛護団体のようになり、受け入れることが妥当ではない話になりますが、逆にどこまでを社会が許容範囲として共有していくかという議論が必要になるのではないかと思います。
ペット好きである人と、そうで無い人との共存。意見の押し付けも良くないですが、一方の考えだけが全てでもない。
ペット好きである人もそうでない人も、今回頂いた意見を良く考えてみると良いかもしれません――
( 探偵ファイル )
