ドメスティックバイオレンス
〜 戦う僧侶たち 〜


ドメスティックバイオレンス(以下DV)が問題となりはじめたのは、いつの頃からだろうか。

夫婦や恋人間で行なわれる精神、身体、性的な暴力は発覚しにくく、近年になるまで、多くの女性(たまに男性)が理不尽な行為にただ耐えているだけという状況であった。しかし、最近では「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(通称DV防止法)が平成13年に成立するなど、DV解決に向けての動きは活性化している。また、配偶者暴力支援センターなどDVの相談を受け付ける窓口も増加の傾向がある。
しかしながら、全国にはDVに悩む女性(とほんの少しの男性)がまだまだ存在し、誰かに助けを求め続けているのが現状である。

そんな中、DVに悩む女性にとって、言葉通りの「駆け込み寺」になろうという寺院が現れた。
と、いっても、住職がご近所さんの悩みを聞くといった方式でなく、なんとDV相談室を携帯サイトにて運営しようという至って現代的な試みである。



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円満院門跡DV相談室



運営するのは、全国に17寺しかない門跡寺院の一つである、1000年の歴史を持つ円満院門跡。無料携帯HP提供で有名な魔法のiらんどを活用し、コンテンツを提供していく。

なぜ、寺院が、しかも携帯サイトでDV相談をうけようと思い立ったのか、円満院門跡の代表である森川氏に直接お話を伺ってみた。


――何故、DV相談室を開こうと思われたのですか?

森川「DVで。悩んでいる女性に少しでも力になりたいと思ったからです。
また、今はDVに関する相談を受けるところが色々あります。しかし、それらのところは相談から行動まで時間がかかることもあり、その間に被害がさらに拡大することもある。その状況を捨てて置けなかったというのもあります。」


――あえて携帯サイトで、DV相談を行なおうと思ったのは何故でしょうか?

森川「元々『駆け込み寺』という言葉通り、寺院には昔から悩みを抱えた人の心のよりどころとしての役割がありました。しかし、現代では直接お寺に来る人というのは少なくなってきています。それならば、より普及している携帯のHPからなら、相談し易いかと思いまして。」


――実際どのような形でDV救済を行なっていくのでしょうか?

森川「まず、メールで専門の女性相談員が悩みを受け付けます。そこで、事態がひっ迫していると判断すれば、電話、又は面接にて相談を受け付けます。内容によっては、こちらで用意しているシェルターと呼ばれる施設(場所は極秘)に保護することも可能です。そこでは、実際に僧が色々な相談にのったり、心の救済にも勤めます。」


――最後に伝えたいことがあれば

森川「DVで悩んでいる皆さん。手元にある携帯をご覧ください。そこに私達はいます。決して一人ではありません。まずメールをお送りください。私達が貴方の悩みに少しでも役にたてるよう全力を尽くします。
DV相談のHP。ゆくゆくはDVの悩みを持っている女性同士のコミュニティーサイト(すみれわーるど)の立ち上げを一日も早く実現し、DVで悩んでいる都道府県別の近隣地域での女性同士がお互いに支えあい、はげましあい、みんなでDVに立ち向かえるような素晴らしいサイトを作っていきたいと思います。」


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すでに賛同者も出始めている(画像:ヤン・チェン)

すでに吉本興業グループ吉本音楽出版所属歌手のヤン・チェンさんが趣旨に賛同し、チャリティーコンサートを開くことが決定しており、早くもこの行動が世間にうねりを起こし始めています。

正式なサイトオープンは2004年1月1日。

DVに悩む方は一度サイトを訪れてみてはいかがでしょうか。

現代の駆け込み寺で戦う僧侶達の活動はこれからです。




円満院門跡DV相談室(※携帯、パソコン両方から見れます)
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=enmandvsos





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