働く人の憂鬱シリーズ
〜 コンビニ店長の憂鬱 〜



いろんな業界で働く人がいますが、業界に身を置く者にしか解らない裏話というものがあります。曰く、勤務形態の事だったり、賃金の事だったり…。そんな事情は様々あると思いますが、別段重たい事では無く、その仕事に対して興味を持っている人に、『そこの業務だったら当たり前の事』を知って貰ってもいいんじゃないかなと、今回も、現役でその仕事をしている人に、そこでの出来事を語って頂きました。皆さんが、「働きたいけど実情は?」と思った時や、いつも使っている業態の事情を知りたいと思った時の参考になればと思います。

今回は誰もがお世話になっていて、何処にでも存在する『コンビニ』の店長さんの憂鬱です。どんな事情があるのでしょうか?それでは訊いてみましょう。


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―――コンビニ店長になろうと思っている人に知っておいて貰いたい事は?
まずは資金。新聞広告に載っている額の1.5倍は準備した方が良いでしょう。開店には何かとお金は掛かります。後は立地条件の調査。本部側から店舗を指定される事もありますが、必ず下見に行った方が良いです。別のオーナーの店の場合ですが、最初は店以外に何も無い最悪の立地条件でしたが、後から鉄道の駅や、某企業の工場が出来てから急に売上が伸びた例もあります。

―――実際仕事をしてみて、内情はどんなものでしたか?
とにかく疲れました。レジ以外にも、商品の品出しや発注、店内清掃など結構重労働です。私の店は近所に大学と駅があるのでお客さんが多く、常に立ちっぱなしな事が多いです。おかげで、腰痛気味です。お客さんがあまり来ない深夜は、強盗などの犯罪が起きないか常に緊張しますね。

―――コンビニ店長を目指すなら知っておいた方が良い事は?
世の中の動きを見る事です。また、食品などの流通業界の動向にも目を向けなければなりませんね。この仕事をするようになってから、日本経済新聞を見るようになりました。また、扱う商品が多いので、それらについても勉強しなければならないですね。

―――業界の中では行われているけど、一般の人には内緒(秘密)の事ってありますか?
カップラーメンや弁当の新製品を試食する機会があるのですが、中には「…」な味のモノがありますね。今はどうなっているか解りませんが、店員教育マニュアルがマンガになっているチェーンもあるみたいですね。本当はしてはいけない事ですが、解凍する前の肉マンを家に持って帰って油で揚げて食べた事もあります。これが美味しいんです(笑)。

―――笑い話とか、苦労話とか有ったら教えて下さい。
一度だけですが、弁当などの発注を忘れた事がありましたね。おかげで、その日の弁当棚は綺麗に何もありませんでした。後、現場を知らない本部の人間にいろいろ言われたくないですね、ホントに。「お前も現場勤務してみろよ!」、と言いたくなりますね。また、バイトなどの人間管理も大変ですね。ウチの店では年に2回、親睦パーティーをやっていますが、当然店は営業しているので参加出来ない人もいます。その分、手当てを出すなどのフォローはしています。

―――その他、言いたい事があったら是非
開店から半年以内はまず休めないと思ってください。オーナーになった以上、店で何かあったら直ぐに駆けつけなければなりませんから。早い話、店に住みつく根性がないとやっていけませんね。ま、慣れていけば、楽しい仕事ですけどね。



いかがだったでしょうか?これからコンビニの店長になりたい!目指したいとお考えの方にとっては大変、参考になる話だったと思います。どこにでもあるコンビニ。その“どこにでもある”分、コンビニを経営するのは並大抵の事では無いと思います。正に世はコンビニ戦国時代なのですからね。バイトなどで気軽に出来るコンビニですが、その裏側で経営者は本部とお客とバイト生に頭を悩ませているのです。こう考えれば、コンビニの店長さんへの見方も変わって来るかもしれませんね(笑)。キムはコンビニの店長さんを応援しています!




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