第52回利根川水系連合水防訓練
〜水防訓練体験レポート!〜


こんにちは皆さま。キムです。前回の『山海堂』記事では大変な反響を頂きました。ご意見を下さった方に感謝したいと思います。…無茶な要求ばかりでしたが(汗)。徐々に行って行きたいと思います!それでは今回のレポを。

去る5月24日(土)に、千葉県は関宿町にて、『利根川水系連合水防訓練』という催し物が行われました。

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趣旨は以下。
終戦間も無い昭和22年に来襲したカスクリーン台風によって利根川の堤防は決壊し、群馬・栃木・埼玉・東京など各所で大きな被害に見舞われ、尊い生命と貴重な財産が失われました。このような水害を繰り返さない為に、水防活動の重要性が叫ばれ、昭和27年に利根川水系連合水防演習が始められました。治水事業の進んだ現在も、水害が起こる可能性が無くなった訳ではありません。土で出来ている堤防は雨や洪水の水を含むと柔らかく崩れやすくなります。だからこそ、水防の重要性を一般の方に理解して頂きたいと思います。

水害の恐ろしさは我々一般市民も知っておかなければなりません。事が起きた時にはそうすればいいか!?―――と言う事で、私キムは実際に水防訓練に参加してまいりました!

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その時の様子を感想と共にお送りしたいと思います。



1、入場
一般公募者として、他の参加者の方々と訓練場へ入場しました。そこでまずビックリ。実はこのイベントは大きいイベントらしく、予想以上の観客が居たのです。その数20,000人以上!かなり多いです。しかも、参加者の中で金髪なのは私1人。これが目立つ目立つ(汗)。「あの金髪なんなんだよ?」って感じで完全に観客の見せ物となっていましたねぇ(苦笑)。因みに他の参加者は、大学のサークル仲間・大工の組仲間・サラリーマンなど。中には、大学の留学生として外国の方も何人かいらっしゃいました。千差万別な方々ですが、やる気は十分にありました。


2、土嚢作り
観客の衆目を集める中、いよいよ訓練が開始されました。まずは土嚢作りです。2人1組となって作ります。私がやったのは袋を持って受け取る側。

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この土嚢作りのポイントなのですが、まずスコップで3杯くらいが丁度良いとの事。多過ぎず、少な過ぎず、スコップに少し手ごたえを感じるくらいが適量です。あまりいっぱい入れると、力が無い女性や老人には運べなくなってしまうからだそうです。


3、土嚢運び
出来た土嚢を一箇所に運びます。手に持つと、流石にずっしりと重みを感じます(鎧ほどではありませんが)。適量なら女性にも運べると思います。…が、中には明らかに適量を超えて入れた物が。(なんじゃこの重さは!?ちゃんと話聞いてたんかいっ!?(# ゚Д゚) )と心で叫びながら黙々と運びます。

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▲チームの頑張りにより、僅か10数分でこんなに土嚢が出来ました。←お前がポーズ取るなよ


4、土嚢積み
今度は出来た土嚢を積み上げ、簡易堤防を築きます。本来は水が漏れている部分を半円状に取り囲む作りなのですが、今回は訓練と言う事で円状に配置します。この土嚢を積み上げる時のポイントですが、縛り口の上に次の袋を乗せるように。乗せた土嚢は平になるようにすると、崩れにくくなるそうです。これを内側と外側で2重に作り、その内側と外側の間に土を詰めて、固める。これを重ねる事によって、強固なものが出来上がります。

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5、杭打ち
完成した土嚢の上から杭を打ち、固定させます。1つの土嚢に2つの杭を打つと更に頑強さが増すそうです。

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6、排水口作り
次に、中に堪った水を外に排水出来るように、パイプで水路を作ります。いま作っているモノは元々、川の堤防から漏水を始めたポイントに作る『月の輪』という半円上のもので、一端この内円部に水を溜めてから緩やかに排水する事により、噴出し口の拡大を防ぐ事を目的としております。ですから、排水パイプの出口部分には土嚢を置き、排水で地面が削れないよう処置します。

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▲木槌を振るう時は勿論、憎しみを込めて打ちました。「大住の野郎!金返せ!!ヽ(`Д´)ノ」

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▲参考 『月の輪』


7、『月の輪』完成!
最後に内円部に実際に水を入れてチェックします。結果はOK!一般参加者の皆さんが頑張って作った月の輪は、良い出来上がりとなりました。

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▲水を注入。漏水・崩れ一切無し!


8、ラスト
最後は一致団結して、氾濫した利根川(と言う設定)に流れ作業で土嚢を積み上げます。次々と流れて来る土嚢は重く、流石に腕が疲れてしまいましたが、“力を合せて1つの事を成し遂げる”為に、誰もが文句を言わずに黙々と真剣に取り組んでいました。名前も、何をやっているかも知らない人ばかりの中でも、同じ事をやり遂げた仲間と言う友情に似た感情が沸いて来ました。参加者全員の清清しい笑みの中、体験訓練は終了しました。

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▲途中、千葉県知事堂本さんの参加があり、盛り上がる事が出来ました

今回の記事はいかがだったでしょうか?久々の肉体労働とあって、翌日は筋肉痛になってしまいました(汗)。ですが、普段忘れていた“有事の際、協力して事に当たる”と言う事の素晴らしさを、身をもって知る事が出来たと思います。少しでも読者の皆さまのご記憶に留まり、水害時に役立たせて頂ける事を願っております。

   お ま け
< 家庭で出来る大水対策 >
土嚢なんて普通は用意出来ない物。その代わりになる物をサクッとご紹介!

● 用意するもの
1、 ゴミ袋(無ければ、コンビニの袋で良い)
2、 水
3、 空いているプランター(長方形のプラスチック製の植木鉢)。あると役立つ

●やり方

袋に水道水を入れるだけ。たったこれだけですが、これが土嚢に勝るとも劣らないモノになります。敗れた時の事を考えて、袋を2重にするとベター。これを積み上げていけば、水を防ぐ壁の出来上がり!この水嚢をプランターに入れればベスト。ブロック以上の効果を出してくれます。大水で困った事があるご家庭は、玄関の端にでもご用意してみてはいかがでしょう?






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