『不発弾爆発』


バグダッド市周辺には、武器弾薬や不発弾が放置されたままになっている。下図のように、同市内で破壊されたイラク軍の装甲兵員輸送車の傍には60ミリ迫撃砲弾や手榴弾が転がっている。また、5月1日には、アンマン国際空港で毎日新聞記者が持っていた金属装置が爆発する事件が起きている。


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 不発弾は何も戦争当事国の問題だけではない。
日本にも不発弾事故の報道が時折なされる。


 5月3日午後6時半ごろ、静岡県御殿場市中畑、無職、勝又敏男さん(74)方の作業小屋で爆発があり、中にいた敏男さんの長男で運転手の徳隆さん(43)が両足を骨折する重傷を負った。
 警察は家族の話などから、勝又さんの自宅近くにある陸上自衛隊東富士演習場から、徳隆さんが拾ってきた直径数センチの不発弾を触っていて、爆発したのではないかとみている。作業小屋内にはほかにも40―50発の砲弾などが残されていたという。

 徳隆さんは不発弾を磨きに小屋に行くと家族に言い残しており、近所の人によると、徳隆さんはこうした弾を集めて置物にしていて、演習場の開放日には、山菜採りのついでに弾を拾っていたという話だ。

 陸上自衛隊富士学校によると、元々演習地内で農林業を営んでいたなどの理由で「入会権」があれば、演習地内に入ることができる。勝又さんも入会権者だった。

また、東富士演習場では毎週土日のほか、年間51日ある特別立ち入り日に中に入れる。このため、陸自では立ち入り日直前の週末は約200人、月末は約600人で着弾地点の点検と、弾薬類の回収をしている。

自衛隊関係者によると、演習時に不発弾が出ることは避けられないため、毎週1回隊員らが回収作業をしている。しかし、演習時以外の出入りは比較的容易なため、侵入して不発弾を持ち帰る人が後を絶たず、爆発する事故が過去にも起きている。


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 自衛隊では武器科職種が不発弾処理を行い、各部隊には不発弾処理班が編成される。
特に国内の4ヶ所に不発弾処理隊が設置され、沖縄の第101不発弾処理隊には「探査及び発掘」の任務が課されている。第101不発弾処理隊による不発弾処理は、平成14年7月1日現在累計約1389t処理、出動回数年平均300回出動している。

 沖縄戦終結から50年以上も経った現在でさえ、この島には、無数の不発弾が眠っている。日本全国をみても、時折工事現場から出てくるものも少なく無い。出るものは仕方ないにしても、上記報道された事故をみるにつけて、危機感の薄さを感じてしまう。

演習場は確かに完全に管理できるものではなく、この時期は特に山菜取り等で演習場への無断立ち入りが多い。演習中でもかまわず入ってくることもあり、現場指揮官は対応するにも一苦労である。いうまでもなく、演習中はただでさえ危険な状況が発生するものであり、強いて状況を厳しく想定する戦場としているものである。
 したがって、有事も平時も関係なく危険とはすぐそばにあるもので、このような軽率な行動による事故を見ると、私、宮ぷ〜は本当に憤りを感じる。





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