霊宝ライスチャーム

〜 幸せってなんでしょう?(前編)〜



株式会社エルセ(http://www.else-web.com/)が同社WEBサイトにて販売している『霊宝ライスチャーム』というものがあります。 どんなものかというと、"太古の昔より他の品種と交わることのない『野性種米(野生ではない)サティバ』に、『インドの高僧ヴィラカーラ氏』が自らの頭髪で依頼者の名前を書き生命エネルギーを注入し、『聖水のカプセル』に入れてアクセサリー加工したもの"だそうです。


写真1
ライスチャーム


気になる効能は、...
    ★ 好きな人と両想いになった!! ★ 理想の結婚相手と出逢えた!!
    ★ 思いがけない大金を得た!!  ★ ギャンブル連戦連勝!!
    ★ 成績が急上昇した!!     ★ 仕事・事業で大成功した!!
    ★ 体調が整って健康になった!! ★ 肌・スタイルがキレイになった
    ★ 対人関係が円滑になった!!
などなど。
エルセは、WEBサイトで "97.6%の確率で願いが叶う" "身に着けるだけで願いが叶う" と謳っています。

紀元前5世紀、インド・ガンジス川流域に栄えたマウリヤ王朝時代、富・健康・愛情を得る為に、この霊宝ライスチャームは王家の人々にこぞって身につけられていた。 あまりにも強力、強大なパワーゆえ民衆からは隔絶され、王朝はこの霊宝ライスチャームを門外不出の秘宝とした。 しかし1991年、ライスチャーム秘技の初代継承者「シャカ」の愛弟子「バァサーラ」以来2500年を経て現在に残る最後の継承者である「ザーム・ヴィラカーラ氏」によって遂にその封印は解き放たれた。 以来シャガナパーラム寺院を訪れライスチャームを手にし、なんの努力も無しにその驚異的パワーによって世界的大富豪、政財界の重鎮、ハリウッドスター、プロスポーツ選手等々、いとも簡単にその地位を手に入れている人達がいる事はあまり知られていなかった。 しかしアメリカ・タブロイド紙のスクープ報道を機に、すでに日本国内でも従来のパワーストーンの愛好者であったプロスポーツ選手、芸能人、政財界人の間で話題沸騰!! 現在、I.E.R.E.C.所長アルベルト・シェライバー博士をはじめ、世界各国で急増しているライスチャーム研究者のもとへ問い合わせが殺到している。

※エルセWEBサイトより原文のまま記載

"紀元前5世紀、インド・ガンジス川流域に栄えたマウリヤ王朝時代"
→マウリヤ王朝があったのは紀元前317〜180とされています。

"ライスチャーム秘技の初代継承者「シャカ」"
→お釈迦様こと『ゴータマ・シッダールタ』のことを言っているのですか?彼の誕生はB.C.560年頃です
 ので違う人なんでしょうね。



写真2 インドのシャガナパーラム寺院にて最高僧ザーム・ヴィラカーラ氏がみずからの頭髪にて聖米1粒1粒に生命エネルギーの氣を注入し、聖米に名前を書き入れる光景。 初めてその撮影が許可されたが、ヴィラカーラ氏が発散するすさまじい生命エネルギーの為、6名のプロカメラマンによる数百カットのフィルム全てがヴィラカーラ氏を鮮明にとらえる事ができなかった!!

すさまじい生命エネルギーのために6名のプロカメラマンで数百回撮っても鮮明に捉えることが出来ない、つまりピンボケだったらしい。




I.E.R.E.C.(国際環境資源エネルギーセンター)とあるが、果たして本当にこんな研究所が存在するのだろうか? Google にて検索した所、ヒットしたのはエルセのサイトのみ。 ちゃんとした研究所ならば、検索にひっかからないことは考えにくい。 "エネルギーセンター" でヒットした研究所10件に実際に問い合わせたが、すべて「聞いたこともない。」という返答。 アルベルト・シェライバー博士に関しても同様で誰も知らない。

野性種米サティバは太古の昔から他の品種と交わることなく現代に至るまで、その驚異的な生命エネルギーを保有し続けている。年間収穫量はわずか500kgたらずであり、霊宝ライスチャーム制作に使用される厳選された野性種米サティバは年間収穫量の1000分の1(500g)にも満たないという。

そもそも、サティバとは「米」の学名です。
「野生種(原文は野性種ですが)」と書かれていますが、野生種は植物学
的に以下の二種に限られます。

写真3
I.E.R.E.C.所長
アルベルト・シェライバー博士
写真4
ライスチャームはインドの聖米
●オリザ・サティバ
アジアで誕生し、世界各地で栽培されている。
栽培化は6000〜7000年以上前に始まったと推定されている。

●オリザ・グラベリマ
西アフリカの一部で栽培されている。
当然、これらのもとになる野生稲が存在するわけで、その種類は世界中に20種以上あるとされている。



現在、栽培化されている稲は、多年生の野生稲から一年生の野生稲を経て、進化してきたものと推定されていますが、本当に『他の品種と交わることのない。』という種が存在するのでしょうか?
何件かの農業研究所に「他の品種と交わることがない種が有るのか?」と問い合わせた結果...
    ●まず有り得ない。その種だけを隔離してきたとしても、遺伝子組み換えはどこかで起こる
    ●人間と猿ほども遺伝子が違うというなら混ざることはないが...
    ●その種だけを人為的に管理してというなら話は別だが、あくまで今の技術の話。
    ●紀元前にそんな技術はない。
ということで、断言は出来ないにしても以上の理由により「他品種と交わることがない」というのは極めて困難であるということです。
そもそも、仮に有ったとして、他の品種と交わることが無かったことをどのように説明するのでしょうか?
そして、サイトに『野性種サティバ』のオーラ写真が出てますが...

Point
科学も証明!!驚異のパワー
実験協力:有機体エネルギー分析研究所
     アジア資源エネルギー研究所
ムーンストーン 野性種米サティバ
写真5 写真6 写真7
エネルギーの波動がほとんど測定できない。 高レベルの生命エネルギーを発している。 野性種米サティバにザーム・ヴィラカーラ氏が生命エネルギーを注入後、最大レベルに生命エネルギーが高まった。
98年2月16日、守山祐子様ご注文 ご本人承諾の上、実験協力および掲載させていただきました


一体何を基準に、どのようにして計測したんでしょう。
そもそも「生命エネルギーの測定化」などということが可能なのかと、先ほどの Google でヒットしたエネルギーセンター10件に電話で質問したら変人扱いされました。

と、以上のように突っ込みどころがありすぎるのですが、ここまで読んだ人で「なにネタにマジレスしてるんだ?」と思われた方も多いと思いますが、"ネタ" では済まないというところがあるのです。
そもそも、通信販売を行なうにあたっては「通信販売法」という法律が存在します。
この法令の中にあるのが...

[誇大広告等の禁止]第12条
販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、当該商品の性能又は当該権利若しくは当該役務の内容、当該商品の引渡し又は当該権利の移転後におけるその引取り又はその返還についての特約その他の通商産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

というものです。
「絶対に」とか、「完璧に」という表現は、客観的な証拠がない場合は使ってはならないのです。
つまり、エルセのサイトに記載されている「身に着けるだけで幸福になる」というのは、客観的な裏付けがない限り、使用はできないはずです。

ですが「"幸せ" というのは、何をもって "幸せ" とするのか?」という判断基準の線引きはありません。
ゆえに「身に着けていたから、信号が無事に渡れた(車に轢かれなかった)。」などと言われても、幸せの範疇に入ってしまいます。

エルセのサイトでも...
科学実験や数々のモニター調査、世界各国からの連日寄せられる感謝のお便りなどでもライスチャームのパワーは実証されていますが、それでも不安な方のために100日間の無料体験保証を実施しております。万一100日間ご使用いただいて効果が感じられない場合は、代金は全額返金致します。
(送料のみご負担ください)※原文のまま記載

とありますが、上記のような「幸せとは?」の理屈をこねくりまわされて、結局返品に応じないケースが多いと聞きます。

次回は、実際に返品しようとチャレンジした読者の投稿を紹介をします。


株式会社エルセ
東京都豊島区東池袋 1−47−7 東光アネックス3階
代表取締役 高橋幸裕
TEL: 03-5952-9933 FAX: 03-5952-9944



( 探偵ファイル・山木 )


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