●更新日 10/11●


ノーベル物理学賞の益川氏、左翼発言に共産党も絶賛


ノーベル物理学賞を受賞した京都産業大学教授の益川敏英氏の政治的発言が、各所で話題になった。

毎日新聞が2008年10月8日に掲載した記事「ノーベル物理学賞:反戦語る気骨の平和主義者…益川さん」によると、2005年に発足した「『九条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会」呼びかけ人の一人が益川氏だったという。同年に自民党が憲法改正要綱をまとめた際には、「日本を戦争のできる国にしたいわけだ。僕はそんな流れを許容できない」と発言したとのこと。

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この記事への反響は大きく、2ちゃんねるでは益川氏の政治的スタンスをめぐって多くの議論が展開された。それと並行して話題になったのが、産経新聞が7日に掲載した記事「【ノーベル物理学賞】風呂あがりに浮かんだ「小林・益川理論」 研究秘話」。

記事中には、「研究が始まったのは昭和47年5月。当時、益川さんは教職員組合の書記長も務め、多忙だった」とある。「産経抄ファンクラブ第109集」というスレッドにこの一文がコピペされ、「教職員組合」というのが話題の日教組を指すのではないかと注目された。

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更に、日本共産党の井上哲士氏が、HPの7日の更新で益川氏について記していたことも判明。井上氏が学生だった頃、学生自治会のセミナーの講師を務めたのが益川氏で、「素粒子研究には、弁証法的唯物論の物の見方が貫かれていることをいっかんして語ってこられたことは、科学的社会主義を学ぶ上で、とても励みになりました」という。

1984年7月14日の「赤旗」で、益川氏は自身の研究について次のように語ったそうだ。自身の視点には、「『電子といえどもくみつくせない』という物質の無限の階層性と認識の相対性を指摘したエンゲルスやレーニンと同様の唯物弁証法(弁証法的唯物論のこと――引用者)の物の見方がつらぬかれています」、「唯物弁証法と自然科学の研究方法との関係は非常に奥深いもので、今後もさらに追求する必要があると思います」。

益川氏の政治的発言が注目を集めたのは、ノーベル賞を近年受賞した日本の理系研究者たちと対照的であるかのように受け止められたからかもしれない。しかし、第二次世界大戦での原爆開発など、ノーベル賞受賞者と政治はこれまでも密接な関係にあった。

ちなみに、9日に行なわれた受賞後初の講義を受ける学生たちの様子を撮影した映像が出回り、これもいろいろな意味で話題になっている。

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