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大魔神のせいで友達をなくした


一日に十数億の脳細胞が死滅する今日この頃。煙草を三箱以上吸っているのでもっとかな?
おかげで小学校の友達の名前が数人しか思い出せない。(転校を繰り返したせいもあるが)
このままいくと子供の頃の思い出があと数年で消滅するかも知れないので、正月に自分探しをしてみた。

まずは子供の頃に流行った怪獣映画の巻。

タイトルの通り、ゴジラやガメラも好きだったが、私の一番は何といっても大魔神だった。なぜなのか!?







大魔神はゴジラと違い、昭和41年(私は6歳)たった3本しか制作されなかった。
時代背景は戦国時代の前後で、敵対する相手は怪獣ではなく、民を苦しめる領主や悪代官だ。
石でできた武人像に少年や少女の祈りで命が宿り、ものすごい形相に変化(へんげ)して暴れだす。
ぎりぎり我慢を重ね、ラスト15分間で一気に怒りを爆発させ、大砲の弾をも跳ね返し、何千という武士団を殺戮する。







ある象徴的なシーン。

磔になった少女(小百合)の足元に火がつけられた。小百合は
「私の命にかえて、名越の領民をお守りください、神さま」涙が頬をつたったその時だ。
処刑場の前の湖が大音響と共に真っ二つに割れ、名越の守護神である大魔神が現れ、逃げまどう悪領主を追い詰め、天守閣や城郭を破壊し尽し、最後は紅蓮の炎で悪城主を焼き殺してしまう。







子供心に

こりゃ悪いことできねーな

と思わせる、非常にショッキングな映画だった。

 

物語の見事さもさることながら、25分の1で精巧に作られたセットが圧巻だった。瓦の一枚一枚まで丹念に焼き上げた見事な特撮映画。あまりにお金をかけすぎて、大映が傾いた主因とも言われた。







最後は少女の涙で怒りをおさめ、崩れ落ちる大魔神。

映画館で周囲の子供は感動のあまり泣いていた。私も泣いた、別の意味で。

俺も大人になったらこんな映画つくってやる

やるじゃねえか、だいえーっ!! という悔し涙だった。
この映画を観て開眼してしまい、日夜、図画工作に命をかけた。木材を拾ってきては押入れの中で自作のセットを組んだ。

極めつけは天守閣の爆破シーン。爆竹の量を間違えて

友達の背中に飛んで大爆発

服に穴があくほどの火傷を負わせ、親に怒鳴り込まれてしまった・・・。

私はその友達の名前は覚えていないが、相手はきっと私の名前を覚えているだろう。

 

 

爆竹のわたなべと。