パンツ探しの旅に終止符

未解決の事件を私（ＢＯＳＳ）が引き継いだ。






使用済みパンツをネットで販売している女の子もえちゃんの居場所を突き止めてほしい、なんとか連絡をとり、これからも彼女のパンツを買い続けていきたいのですという依頼者。だが彼にはお金がない。したがって稼動する調査員は九坪だけ。
しかし九坪は





すいません、私には無理です。



ぶつくさ言うな。おまえ今年で４１歳だから探偵歴は俺と大差ないだろ？
だって、もう打つ手がないんですもん。
もっとよく考えろ。そういう時は逆転の発想だ。
そうは言われましてもねぇ・・・じゃあＢＯＳＳやってみせてくださいよ。その逆転ってやつ。
やってみたよ。
はい？

私は九坪の目の前に一枚のレポートを置いた。







これは？
見ての通り。対象者「松崎もえ」の住所だ。
調べたんですか？　ＢＯＳＳが？
ああ。
九坪はレポートを手にとって、しばし呆然。
すごい・・・どうやって調べたんです？








金を遣った。

か・・・？　はい？
メールアドレスから、金を遣って発信者の住所を割り出したんだ。
・・・なんすかそりゃ？
唖然とする九坪。
お金がないから特殊調査を使うなって制約があったんじゃないんですか？　だから、こんなに苦労してたのに！！
確かにそう言った。
ええ、確かに言われました。
金がないから特殊調査は使うな。
そうです。
しかしこれは逆に「金が用意できるなら特殊調査を使ってもいい」となる。
あ？
これが、逆転の発想だ。
制約無視やん！一瞬でも尊敬して損した！！
そう叫ぶ九坪に


探偵業界のフィクサーと呼ばれたいから。



と真顔で答えた。






私は飛行機のチケットを九坪の胸ポケットにねじ込んだ。
もえちゃんに依頼者の思いをぶつけて来い。




ーつづくー



ＢＯＳＳ