●更新日 05/11●
『貴方へ』
名前:Y 年齢:34 性別:女性
『お母さん』とか『母さん』とか『ママ』とかは絶対に呼べない、呼び たくない、貴方へ。
今どこでどうしてらっしゃるのでしょうか。
何をしていようがどうでもいいと思う私は、貴方にとっては『酷い最低 の娘』なんでしょう。
私は今でも、23年前のあの冬の夜を思い出します。
お陰で夜の海が怖いのが消えません。
私を殺しかけたこと、貴方はもう忘れてるみたいですね。
私は死ぬまで、まだ何度も夢に見るでしょう。
ドラマや映画で絞殺シーンが出ると、芝居と分かってても逃げてしまい ます。
あの苦しさと恐怖とパニックを思い出してしまいますから。
一度だけ、貴方に白いカーネーションを贈ったことがありましたね。
その時の貴方の反応は、残念ながら『忘れて』しまいました。
私には『母』と呼べる存在はいなかった。
それが白いカーネーションの答えです。
願わくば、この世だけでなくあの世でももう二度と会わずにすみますように。
私からのお願いは、ただそれだけです。
最後に、大嫌いな貴方に贈る言葉は、ただ『さようなら』
それだけです。
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