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マンモス無断持ち出し、嘘吐き教授


助教授のセクハラ騒動と並んで発覚した、名古屋大学教授の愛知万博関連の不正行為。


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3月24日の中日新聞の報道によると、2005年に開催された愛・地球博(愛知万博)で、展示された冷凍マンモスの肉片が展示されて話題になりました。ただ、この企画に関わった名古屋大学環境学研究科の教授が、正式な手続きがなされていない段階でロシアのサハ共和国から不正に持ち出していたと言います。記事中では名前は明かされていませんが、その教授とは小澤智生氏。

小澤教授は2004年の現地訪問時に、DNA解析に使用するマンモスの肉片の状態を確認する必要があるという口実をつけてホテルに持ち帰り、用意してあった容器に入れて日本に運び出しました。この時点では正式な手続きはまだ終えられていなく、手続き完了後に日本に届いたのは2005年3月のこと。小澤教授の研究室では、教授が持ち帰った肉片を用いて2004年11月8日から既に研究を始めていたようで、その証拠となる実験ノートも存在するとのことです。

小澤教授は中日新聞の取材に対し、以下のように述べています。

「万博のために最大限努力した。(無断で持ち出したと言われると)成功した万博の問題にもつながる。これ以上のコメントは差し控えたい」


これは、「万博のための「最大限の努力」であれば、不正と見なされるような行為であっても容認されてもよい」、「万博は成功したという評判を傷つけることになるから、自分の行為は不正であると認めるわけにはいかない」という意味ですよね?

小澤教授が万博開催当時の日経新聞の取材記事で虚偽の説明をしていたことも、探偵ファイルの調査で発覚。


2005年8月3日、日経新聞に「ばんぱくトーク――マンモスのミトコンドリアDNAを完全解読」という記事が掲載されました。

それが、これ。


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「ロシアの自然資源局の輸出許可がなかなか下りず、小沢教授の手元にサンプルが届いたのは万博の開幕直前までずれ込んだ。万博期間中に一定の研究結果を出すよう求められていたこともあり、焦燥感に駆られながら、到着を待つ日々が続いた。サンプルが届いた後は「睡眠時間を削り、1日中研究室にこもる生活が続いた」と振り返る」


手続きを終えたサンプルが教授の手元に「正式に」届いたのは確かに万博直前だった。しかし、「焦燥感に駆られながら、到着を待つ日々」どころか、上記のように2004年11月の時点で既に教授の手元には肉片が存在し、研究に着手していました。この記事では、いかにも到着後に慌てて研究を開始したという印象を受けますけどね。

中日新聞の記事には、「翌05年3月には正式な手続きを経た肉片も教授の研究室に到着したが、研究室では教授が事前に持ち帰った肉片を主に使い、早々とDNA解析を始めた」とあります。

万博に寄せられた大きな期待に応えるための行為だったのかもしれませんが、先方との取り決めを守るということも、研究者として守るべき最低限の倫理だったのではないでしょうか。



山木


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