前回、前々回にて外国人や違法労働者による健康保険証の不正利用についての記事を掲載しましたが、このような問題は特殊な人々だけに当てはまるわけではありません。
初診時に診察券を発行してもらう場合、病院から保険証の提示を通常は求められます。その後も、本来は通院ごとに保険証を提示しなければならないのですが、省略している病院が多い。要するに、保険証の有効期限を確認する意味で、月初めにだけ提示を求めるというパターンですね。
ところが、月初めの提示さえ守られていない病院もあることをご存知でしょうか?
例えば東京都K区にあるT病院。ここでは、受付での保険証の管理が極めて杜撰で、これまでほとんどなされていません。
この病院に家族で受診しているAさんの話では、「家族で世話になるようになってから10年以上になるが、提示を求められたことは多分合計5~6回程度だったと思う」とのこと。
この一家だけが例外と言うわけではないでしょう。また、月初めに保険証の提示を珍しく求められた時、まさか求められると思っていなかったAさんは持って来ていませんでした。「うっかり忘れてきてしまいました」と言ったら、受付の担当者は「では、次回持ってきてください」と述べただけ。Aさんは数日後に再び受診したが、その後もとうとう保険証の提示を求められることはなかったという。
本来ならば、保険証を提示しないで受診したならば、保険が適用されない医療費10割負担の料金を請求されることになります。だが、T病院のように管理が杜撰な場合、保険証の期限が切れていても有効期限内と同額で受診出来ます。
「問題ないんじゃないかなぁ・・・」と思う人は、正常判断が鈍っていますよ! こうした正常に使用していない金額のツケは、正常に利用している国民が払っているのですから。もちろん、国から金が貰えるから別に構わない・・・という、病院の管理意識を改善することが、まずは何よりも必要なのは言うまでもありません。
ちなみに、前々回の記事を印刷して渋谷で街行く20~30代の100人に見せたところ
不正使用される1兆円はどこに消えていると皆さんは思いますか?
僕は、こうした問題意識の低さや、感じてもどうしようもないというシステムの穴に消えて行っていると感じます――
そして、そのシステムを変更しないといけない立場にある政治家は・・・。政治ジャーナリストに言わせると
「自分の利権に絡まない限り、真面目に働かないんですよ」
なんともはや。
山木