・・ |
何気ない一言が 墓穴を掘ることになる |
08. 精神修養・・・滝行をやってみることになった 山木です。 『あぶない探偵』のメインに起用されて以来、ワケのわからない事ばっかりやらされています。 同僚の宮ぷ〜や探偵Kその他から「最近の山木は暴走(珍走)気味だ」という声がよく聞かれるようになりました。 大切な愛車を焼かれて斬られて膜を剥がされて、いきなり池には突き落とされて、あまつさえそんな仕打ちに耐えるための唯一の糧である給料まで宝くじになってしまっては、多少精神のバランスが崩れ暴走したとしても大目に見て欲しいものです。 まだ夜の校舎の窓ガラスを壊してまわったり、盗んだバイクで走り出したりという犯罪行為に走らないだけマシだと思っていただきたいのですが。 山木「じゃあ、精神修養でもしますか・・・」 しばらく都会の煩わしい生活から距離を置いて、お寺で座禅のひとつでも組んでみるのも悪くないかな・・・などとと思い、何気なくつぶやきました。 すると、事務所のみんな曰く... 「いや、精神修養っていったら"滝に打たれる"、コレだろう」 事務所の全会一致で、テレビとかで空手家とかがやってる「滝行」をやることになってしまいました。 ほんと〜に、この事務所はおもしろいなあ(皮肉)。 というわけで、梅雨の晴れ間の某日・・・僕は山登りをしているワケなのですが。 「ここに行け」と指定された某山を、撮影係の探偵Kと一緒にひーひー言いながら登っていきます。 2キロほど行ったところに、ありました、滝。 ドドドドドと轟音をたてながら水飛沫をあげる滝 ・・・・・・。 めちゃめちゃ高いとこから水が落ちてきています。なんと「落差60」。 シャレになってません。 山木「無理ですよ!こんなの。絶対に首の骨が折れます!今回はやめて帰りましょう!」 いくらなんでもあんまりです。 しかし探偵Kは受け付けてくれません。 探偵K「いや、こんなところまで来て、何もせずに面白い写真すら撮れないままでは 事務所に帰れない。」 沖縄で自分でサンゴを傷つけて写真を撮った某新聞社のカメラマンのようなセリフを吐きやがりました。 なら、自分がやれってんです。 結局、探偵Kの「わかった、首の骨が折れなかったらどんな罰ゲームでも受けてやるよ」 とまで言う熱意に押し切られることになったのですが、よく考えたら『ボクの首の骨が折れる』ということを前提に言ってるわけでしょうが・・・。 というわけで着替えましたが、準備されていたのは白装束に『神風』ハチマキ。 これは「死んでこい」と言っているのか? 我、一人総火ノ玉トナツテ滝ニ玉砕セントス いくら、暦の上では夏とは言え7月の初め、山の中はめちゃくちゃ寒いです。 気合をいれて水の中に足をいれましたが 「冷テェーッ」 と叫んでしまいました。 水温は、なんと3度くらいしかない。 正気の沙汰ではありませんが、ここまで来ては引き返せない...意を決して、ザブン!! うう、冷たいというより痛い!おまけに水深が深くて足がつきません。 深さは2メートル以上はあるようです。 滝壷に近づくにつれて、ヤバイことが発覚しました。水流の関係でしょうか、 水の中に引きずり込まれます。 山木「うわあぁぁぁ」 あっという間に飲み込まれました。 「ヤバイ!」と顔をあげますが、滝に打たれて水の中に押し込まれます(このとき探偵Kは、「あ、首の骨折れた」と思ったらしいですが)。 平泳ぎでは話にならないので、クロールでなんとか抜け出そうとしましたが、体が動きません! あまりの寒さで体が麻痺してしまったようです。 バタ足もうまくできない。 それなのに水にどんどん吸い込まれていく・・・そして、動かなくなっていく体・・・。 これって、死の予感?? じょっ、冗談じゃありません! こんな事で逝くなんて、末代までの恥です!! 脳のリミッターが外れたというか、追い詰められると思ってもない力が湧いてくるというのは本当のようで、体が自分の意思とは無関係に動き出しました! 「はあ・・・はあ・・・」 足もまったく動きません。 今回は今までの撮影の中で一番ヤバかったです、マジで。 必死になって岸にたどりつき、ぐったりとしているボクに向かって探偵Kが一言。 「死神みたいな顔してるな・・・」 死神ですが、何か? ・・・ふ、ふふふ・・・。 ええ、死神で結構ですよ。 精神なんぞ、珍走のままで上等です。 どうやらKは忘れているみたいですが、首の骨は無事でしたので、探偵Kの罰ゲーム 決定です。 ではみなさん、どうぞお楽しみに。 ( 探偵ファイル・山木 )
|