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恐がり探偵の 心霊スポット行脚 |
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01.廃墟になったラブホテル 探偵ファイルのHPのリニューアル&パワーアップによりアクセス数もここのところ激増している。 中でも『怨霊の館』は毎日かなりのアクセス数がある...やはり夏である。 夏と言えば、お化けの季節到来だ。なら季節ものだし『あぶない探偵』でも怖いモノをやろうと、いきなり電脳探偵こと山木が各地の心霊スポットを訪ねる、というコーナーが始まってしまった。 山木「ちょっとまってくださいよ〜。僕そういうオカルトとか心霊とかいったのはマジ で嫌いなんです。ホント、カンベンしてください!」 山木はオカルト関係にはまるっきり弱く、一説によれば、『ゲゲゲの鬼太郎』すら怖くてまともに見れないといった始末。 山木「だって目玉おやじって口もないのに喋ってるじゃないですか〜。おかしいですよ! 怖いです」 なにか恐怖のポイントがずれているような気もするが。 とにかく、一度くだった指令に逆らえるべくもなく、山木と同行の探偵K(私)は指定された心霊スポットに行き、報告書を書くことになった。 山木はブツクサいっているが、こちらこそいい迷惑である。 私も正直、心霊関係は苦手である。
国道沿い、車で何とか降りていけるような崖の下に、その建物は建っていた。 手入れをしていないのか、森の中に埋もれた感じなので気をつけていないとまず見過ごしてしまうであろう。 ▲入り口
うらぶれて、とても寂しく、いかにも何か出そうな不気味な雰囲気である。 「嫌だ!嫌だ!やめてくれ!鬼!悪魔!ひとでなし!偽善者!独裁者!!(以下略)」 と、ありったけの罵詈雑言を並べる山木の手を強引に引いて中に入る。
通路の窓ガラスはない。他のところにあるガラスも大抵は割れてしまっている。 従業員室だったと見られる部屋はこれ以上なくらいに荒れ果てている。 誰かが暴れたのでは?と思えるぐらいだ。 経営者と従業員の間で揉め事でもあったのだろうか。
客室の中に入る。 ラブホテルだったというだけあって、「ヤル事をやってたな」という痕跡が見事に残る部屋だらけである。 潰れた後も、近くを訪れたカップルが入り込んで利用していたのであろう。 乱雑に脱ぎ捨てられた衣服が散乱している。 いくつか部屋を回っていると、壁に何か紙らしきものが貼ってあるのを発見した。 よく見ると... 怨 !! っ。思わずマジでビビッて、息をのんでしまった。 【怨】その下に「1999.2.9」と書いてある。 1999年2月9日にいったい何が・・・! ...と思って山木をみると、平然としている。 普段のヘタレた姿はやはり昼行灯を装っていただけだったのか。 こういう時にこそ、その人間としての大きさも解ろうというものである。 私は感心して山木に話し掛けた。 K 「おい、これ怖くないのか?」 山木「え?『外苑前』(事務所の最寄駅)の『苑』に似た字ですね」 K 「何をのん気なこと言ってんだ!『怨(うら)む』って字じゃないか!」 ( ゜д゜)ポカーン ↓ ( ゜д゜)「怨む・・・」 ↓ (( ;゜Д゜))ブルブル ↓ (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル「ひぃぃ〜〜!!!!」 お前は痛みが脳まで伝わるまでに時間がかかる恐竜か! 流石に BOSS の名前の漢字すら間違える男。 彼なら【呪】と書いてあったとしても【祝】と間違えて喜んでしまいそうである。 山木「もう帰りましょうよ〜」 漢字の意味を学習した山木、流石に怖くなってきたのか半泣きになっている。 山木「あ、そうだ。あそこの下着を持って帰って『探偵ファイル』ならぬ『ぱんてぃ ファイル』ということでお茶を濁しましょう」 恐怖のあまりに背筋も凍るような寒いギャグを言ってる。 その表情には余裕なんて微塵も感じられない。 あろうことか、それをそのまま BOSSに報告してしまった。 BOSS いわく 悪霊に取り憑かれるまで帰ってくるな という実に楽しい一言。 かくして私と山木は、ここの近くにあるという心霊スポットもまた訪れて報告をしなければならくなったのである。 続く
( 電脳探偵・山木 & K )
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