『美味しんぼ』が反原発で政府の監視の対象に!作者は激怒
漫画『美味しんぼ』が、政府による監視の対象になっていたことが発覚した。
2011年11月20日の東京新聞1面に、「反原発の記事 中傷」という記事がある。経済産業省の資源エネルギー庁は、メディアの原発報道を監視してきた。この事業の目的は不正確な報道の是正とのことだが、メディアに訂正を求めた事例は皆無だという。
そのため、実際には是正が目的ではなく、「事実関係が正しいかどうかにかかわらず原発の推進に反する記事が収集され」ていると、記事では指摘している。2008年度から2010年度まで、外部委託された財団法人は毎年異なり、いずれも電力関係者が役員を務めているとのこと。
当該の記事は、同紙HPでも読むことができるが、同日の社会面に掲載された関連記事はネット上には掲載されていない。監視対象となった報道内容への財団法人側のコメント一覧を見ると、かなり批判的な論調である。
この記事で特に興味深いのは、『美味しんぼ』への監視に言及した部分だ。『ビッグコミックスピリッツ』2009年12月7日号の連載では、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場を扱った。「もし大事故が起こったら最悪の環境破壊です」というセリフ等6点に言及し、「『いたずらに不安をあおる』などとなじった」。記事には、作者の雁屋哲氏のコメントもある。
「書いたことは不正確ではない。電力会社に不都合なだけだ。報告書のコメントこそ不正確だ」、「私も漫画の登場人物も、実名を明らかにしている。コメントした(財団の)人も実名を明らかにしなさい。エネ庁は国民の税金を使って電力会社の秘密警察を務めている。この愚行が公になって恥を千載(長い年月)に残すだろう」。
なお、新聞や週刊誌を対象とした監視事業は昨年度で終了したが、今年度からはブログやTwitter等、ネットの情報を対象にしているという。
高橋
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