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老舗出版社倒産――社長は「風流夢譚」事件の関係者





官報によれば(株)中央書院(東京都千代田区猿楽町2−8−11、代表:芳賀郁雄氏、資本金1000万円、大正14年創業)は、東京地裁へ自己破産を申請。9月12日に破産手続きを開始した。負債総額は、約9200万円。

同社は、国鉄職員向けの実務書を中心とした書籍を多く出してきた老舗。

近年は、鉄道ファン向けの出版にも注力していた。

これでいいのか、特急列車


同社の前社長の故・竹森清氏は、中央公論の編集長だった人。在任中に起きた事件は、社会を賑わせた。

事のあらましはこうだ。

1960年12月号の「中央公論」に掲載された深沢七朗の「風流夢譚」は、皇室を侮辱するものであるとして右翼活動家の赤尾敏や野依秀市らが激怒。

風流夢譚


これに対して中央公論は新年号にお詫び文を掲載、竹森編集長を更迭し、編集部は進歩派から穏健派に総入替した。

しかし、右翼の攻撃は止まず、中央公論社嶋中鵬二社長宅が襲撃され、家政婦を刺殺するという流血事件へと発展する。

これらは、風流夢譚(嶋中)事件と呼ばれた。

竹森氏は事件後、中央公論を去り、奥方の実家の「中央書院」を継いだ。

私は生前の竹森氏にお会いした事があり、「風流夢譚はブラックユーモアなのに、右翼の原罪になってしまった」と語ってくれた。

中央書院は、ベストセラー「時刻表二万キロ」で有名な宮脇俊三氏の本を何冊か出版しているが、これは、中央公論社の先輩にあたる竹森社長の事を慕ってのことだろう。

会社の屋台骨を支えていたのは「旅客営業取扱基準規定」。JRになってからは注文部数が激減した。

旅客営業取扱基準規定
民営化後は注文数が激減



活路を一般書籍に求め、中堅出版社に居たTという人物を社外から招いたが、失敗。

雑誌編集の元スタッフは「取材は行かせてもらえない。原稿は全て寄稿で独自性は無かった」と、同社の問題点を指摘する。

生え抜きの芳賀新体制は、どこで舵取りを誤ったのだろうか。


鉄ちゃん(元全国紙記者)




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