高校野球の優勝校、眉を剃った主力選手たちを処分
高校や大学の野球部の不祥事が、相次いで話題になった。
光聖学院、東洋大付属姫路、大阪体育大学のいずれのケースでも、選手たちの軽率な発言や行動だけでなく、学校側の管理の在り方が問われた。その点で興味深いのは、沖縄県興南高校野球部の我喜屋優監督による東京新聞の連載「この道」である。同校は、2010年に春のセンバツと夏の選手権の両方で優勝、夏の優勝は沖縄県勢初の快挙となった。
2011年8月18日の記事によれば、センバツが終わった頃、数名の眉が整えられていたことが発覚。入学時の写真と見比べると、1ミリくらい細くなっていたそうだ。同校では、眉剃り禁止を命じている。後輩に買い物をさせたり洗濯させたりといったことも禁止で、そのルールに違反した部員もいたという。
彼らは主力メンバーだったが、チームから外された。選手たちは「二度としません」という反省文を書いたが、監督はそれらを破り捨てた。どう償うのか、それをどうやって示すのかが大事であるというのが、監督の持論だ。選手たちは2週間ほど掃除や草取りに励み、復帰を許可された。
その時、監督は「約束を守れない者はチームに置かない。おまえたちがいなくたって勝てる。他にも心の立派な者はたくさんいるんだ」と述べたという。19日の記事によれば、もし選手たちの親に「これで夏の大会に出られなくなったらどうするんですか」と言われたら、出場を辞退するつもりだったそうだ。
一瞬の勝ちや喜びのために、もっと大事なものをおろそかにしている野球部が多いと、苦言を呈する。「野球はいいけど、心はどうなってるんだという連中、たくさんいます」。高校野球では「偽の礼儀」を前面に出しながら、実際には裏口入学や金銭による取引も横行しているという。
興南の厳しい指導の背景には、高校野球の現状を変えたいという、監督の熱い思いがあるようだ。
高橋
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