●更新日 05/20●






窃盗を繰り返す老婦人に罪の意識は無いのか








ガルエージェンシー鹿児島中央 代表・大藤 史生 ガルエージェンシー鹿児島中央 代表・大藤 史生
長きに亘り調査現場の第一線で活躍した後、調査本部第二班班長、ガル探偵学校本校主任講師も務めた日本屈指の名探偵。あらゆる調査を解決に導く手腕はご依頼者様や弁護士からの信頼が厚い。「誠心誠意」サービスを提供する事を信念とする。
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被告人は150cmに満たない小柄で白髪の老女。
年齢は今年で80歳を迎えるという。

ゆっくりと立ち上がり、ヨロヨロと手を付きながら証言台に移動する。
耳が遠くなっている為、裁判所で貸し出された補聴器を耳に当てながら開廷となった。


罪状は窃盗罪。


近所に所在するスーパーに買い物へ行き、持参していた袋に数点の食料品を入れ、約2000円分の商品を万引きした。警戒していた保安員が犯行を目撃し、未精算のまま店外へ出たところ、声を掛けた。

「すみません」被告人は素直に犯行を認めた。

犯行の動機は、年金暮らしをしていた被告人が年金支給日まで生活費が足りるか心配になり、「お金を払うのがもったいない」と思いたったことだった。20年前に夫に先立たれた後、一人暮らしのストレスや寂しさを感じていたという被告人。

ここまでは、高齢一人暮らしのストレスと寂しさから犯行に及んだ老女に同情の余地があったかもしれない。しかし、実は被告人、数か月前にも万引きで捕まり、執行猶予中の身であった。
前回の裁判で、「もうしません」そう誓って、わずか数か月の犯行だ。
さらに、口座には2000万円以上の預貯金があるという。


検察官からの指摘に法廷のムードは一変した。
それだけの預貯金や資産がありながら、約2000円分の食料品を万引きする。

被告人の言う、「お金を払うのがもったいない」に呆れてしまう。
「預貯金を崩して使えばいいでしょう!」検察官が怒るのも当然だ。

スーパーの経営者からは決して許す事の出来ない犯罪だ。
日々、被害に苦しみ保安員を雇う等、対策に苦慮している。検察官は執行猶予中である事、再犯を犯すまで短期間である事から罪の意識の薄さを鑑みて厳しく非難、追及し、懲役刑を望んだ。
80歳になる被告人、涙を流しながら証言台に立ち、謝罪した最後の言葉に罪の重さを感じていると信じたい。



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