●更新日 02/26●


いやがらせの理由……2


夜中に家の庭へ汚物を投げ込むといういやがらせ。
その犯人を特定すべく、依頼者の自宅を張り込んでいた私と後輩。
そして、張り込み3日目。午前4時を回った頃。
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家の庭に「白い塊」が投げ込まれた。

ついに犯人が現れたのである。
急いで携帯電話を手にすると、すぐさま周辺を監視していた後輩からの着信。

「でました! でました! どうしましょう!?」

興奮する後輩をなだめながら状況を確認する。

「映像は撮れてるか?」
「はい!」
「俺の位置からだと犯人は見えなかった。犯人はどこに行った?」

「はい! 向かいのアパートです! 2階の部屋です! あの部屋の住人が犯人です!」

私は、依頼者の庭に落ちた「白い塊」を証拠品として回収し、後輩の撮影した映像を確認する。
広範囲を撮影していた後輩のカメラは、一部始終をとらえていた。



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依頼者の家の斜め向かいにあるアパート。
その2階のベランダに、30代前半の女性が現れる。
ベランダの女性は、しばらく辺りを見回し、人がいないかを確認している。
次の瞬間。

女性は鬼の形相となり、大きく振りかぶって「白い塊」を投げつけた。

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マリナーズのイチローに匹敵する大遠投。

ベランダから投げられた「白い塊」は、見事、依頼者の家の庭に着弾したのである。
あまつさえ、着弾を確認した女性は、

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ガッツポーズまで決めている。

それで気がすんだのか、女性はベランダから室内に戻っていった・・・



投げ込まれた「白い塊」が何なのかを確認する。
大きさは手のひらサイズだが、トイレットペーパーに包まれている。
慎重にトイレットペーパーを剥がすと、そこには血の付いた生理用ナプキンが入っていた
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・・・犯人自身の物なのか??


朝。起床した依頼者に昨晩の状況を説明し、証拠映像を見せる。
映像を見た依頼者は、
「なぜ・・・いつもあんなに仲良くしているのに・・・」
と困惑した。

詳しく話を聞くと、依頼者の娘と犯人の娘は幼稚園の同級生。
それがきっかけで仲良くなり、週に2回くらい昼食を共にする仲らしい。
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犯人の旦那さんとも面識があり、こちらとも仲良くしている。
とても恨まれるような覚えはないという。

話し合った結果、お互い娘が同級生という事も考慮し『嫌がらせを止めてくれるのであれば警察には通報せず、穏便に済ませる。』という結論で依頼者が納得した。

我々は依頼者と同行し、犯人と交渉すべく最後の戦いに臨んだ。
写真


続く



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