●更新日 10/29●


親から虐待を受けた王子様


アニメや漫画などで、城からこっそり抜け出して街に出かけたり、城を飛び出して冒険に出たりする王子様やお姫様というのは多いですよね。

でも実際に、家出しようとした王子様が歴史に実在します。



プロイセン王国の皇太子だったフリードリヒ2世(1712〜1786)は音楽や書物を愛する芸術家肌な少年でした。

しかし、軍人嗜好の父親はそんな息子が気に入らず、幼いころから杖で数十回も殴りつける、首を絞めて殺しかける等々の児童虐待を行ってきました。

今なら確実に児童相談所行きですね!


そんな生活にたえられなくなったフリードリヒは18歳の時に家出を決意。

母親の決めた許嫁、メアリ王女のいるイギリスへの逃亡を計画します。
彼は友人の協力で、旅先の宿舎から逃げ出しましたが、計画は事前に露見しており、すぐに連れ戻されてしまいました。


家出を知った父王は激昂し、「すぐに息子を殺してしまえ」と命令。

しかし臣下たちがそれを諫め、結局、フリードリヒは幽閉、そして逃亡を手助けした友人のカッテを処刑することになりました。


カッテの処刑を、窓から無理やり眺めさせられることになったフリードリヒ。

まだギロチンの無い時代、処刑方法は斧での斬首です。



「カッテ、カッテ、私を許してくれ」

そう叫ぶフリードリヒに、カッテは、

「私は殿下のために喜んで死にます」

と言って処刑されました。

フリードリヒは正視できず、彼が斬首される前に失神してしまいます。


そんなフリードリヒですが、この事件の後は父王に従うようになり、この10年後、父の死によって28歳でプロイセン国王に即位。

「王は国家第一の下僕である」という言葉は有名。


軍国主義といわれるプロイセンの礎を作り、領土を広げて列強の仲間入りを果たし、オーストリアの女帝マリア・テレジアの終生のライバルとなりました。

そんなフリードリヒは『フリードリヒ大王』と呼ばれるほどの君主になったのでした・・・。


家出息子も変われば変わるものですね。



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