自業自得の悲しい結末

「友達の結婚式で週末３日間海外に行くんだけど、その間、夫の行動を見ておいてほしいの」
という依頼者は３５歳の専業主婦。同じ歳の旦那とマンションで二人暮らし。
「浮気の心配はないけど、念のため…」
と要望して金曜の朝に旅立った。

夕方５時、調査開始。
勤務先から、７時に退社した夫は途中コンビニで弁当とビニールテープとゴミ袋を買って帰宅。





２Ｆのベランダ側の窓を開け、どうやら掃除をしているよう。
１０時過ぎに業者が来て、大量のゴミ袋を引き取っていった。ゴミ袋をよくみると、女性物のスーツやブランド物のバッグが入っている。続いて鏡台やタンス等の家財道具も運び込まれた。

ん？引越し？

男性調査員に業者のトラックを尾行させた。
部屋は１２時過ぎに電気が消えた。

２日目、夫は退社後何処にも寄らずに帰宅。１０時過ぎには部屋の電気が消えた。
調査員から『昨日の業者は便利屋で、トラックの荷物は倉庫に降ろされた』との報告を受ける。

調査最終日、この日は休日なので、早朝から張り込む。
午前７時、大きめの旅行カバンを持った夫が出てきた。駅前で白い車に乗り込むと、運転席には若い女性の姿が…。





車は箱根の温泉宿へ。２人は手を繋いでチェックイン。
不倫旅行？
妻の帰国まであと５時間程だが、２人は気にすることもなく楽しんでいる。
２人の会話から、付き合いは約１年、女性は妊娠していて、旅行後は女性のマンションで暮らす予定ということが解った。

「借金は奥さんが勝手に借りたんだから、ほっとけばいい」と女性。

妻は仕事もせず遊び歩き、消費者金融などにかなりの借金があるらしい。さらに浮気もしていて、今回も浮気相手と海外に行っているというのだ。
夕方、妻から電話が入り、報告すると、成田からタクシーを飛ばしやってきた。
日焼けした顔で夫に土下座する妻に


「でっ、今借金はいくらだ」
夫は呆れ顔で問いただす。すると妻がポツリと一言。
「９００万…」

その後、部屋を追い出された妻が帰り際「何で私がこんな悲しい目に…」と泣いていた。
何でって…。
その後この２人がどうなったのか私は知らない。



女探偵ノゾミ